助成事業例:長与町トライアスロン協会による“海スイムセミナー”の実施

写真
写真

事業の概要

海で泳ぐ経験がなく不安を持つ子どもに、海に親しみ、海で不安なく楽しく泳げるように、また海の危険性を正しく理解することを目的とした海スイムセミナーを実施する事業です。長崎県長与町のアクアスロン大会を主催する団体が、複数の市町に囲まれた大村湾内の各地で、水泳の指導者とライフガードでチームになって安全対策をした上で海スイムセミナーを開催しています。ひと夏で6~7回の実施をする中で、プールでは泳いだことがあるけど海では泳いだことがなかった、しょっぱいけどこんなに広いところで泳げるなんてすごい!という子どもにたくさん出会います。

注目・期待した点

日本財団が2017年から2年に1度実施している「海と日本人に関する意識調査」によると、「この1年間、海に行っていない」と答えた人が45%と、2019年と比べると12ポイントも増えています。海に行かなくなった要因については、「コロナ前と比較して、屋外での活動が減った」と43%の人が回答していて、新型コロナウイルスの影響もあるようですが、もっとさかのぼれば、昔は各地の学校でおこなわれていた遠泳大会などもどんどんなくなってきていますし、1996年から7月の「海の日」が休日になり、各地で様々なイベントが開かれているものの、人々の海離れは進んでいて、身近なレジャーだった砂浜での海水浴も、1985年からの30年間で客数は8割減となっています。そのような中で、海と日本プロジェクトでは、子どもや若者世代をはじめとする全国の様々な人々が海の問題を当事者としてとらえ、次世代に豊かな海を引継ぐために取り組んでおり、本事業の、まず子どもに海で泳いでもらおう!というのは最も注目した点です。

さらに、主催する長与町トライアスロン協会はもとより、長崎県トライアスロン協会や長与町役場をはじめ、大村湾を囲む各地の漁業組合や教育委員会など地元の方々の協力を得て実施している点も大きな注目点です。地域が一丸となってまずは地元の海をより身近に感じられるイベントとすることで、海で楽しんだり、感謝するだけでなく、環境保全への意識をさらに高めていきたいという共通の思いがあるようです。アクアスロンの大会前日には大会会場周辺のごみ拾いを行うなど、今後も様々な地域の海の活動につながることが期待されます。

事業費総額/助成金額:2,714,964円/1,880,000円(2022年度)