アジア太平洋7カ国における視覚障害学生の高等教育および就労支援(ICEVI)

  • 当事業は2023年12月をもって助成を終了いたしました。
点字を学ぶ学生たち

アジア太平洋7カ国における視覚障害学生の高等教育および就労支援(ICEVI)とは

事業開始当初、アジアの途上国で初等教育を受けている視覚障害児の割合は10%弱であり、高等教育を受けている視覚障害者は1%弱といわれていました。ベトナム、インドネシア、フィリピン、カンボジアで高等教育に進む視覚障害学生は徐々に増えてはいますが、大学には十分な学業支援体制がなく、多くの学生は家族や友人の助けを借りながら勉強していました。

日本財団は、国際視覚障害者教育協議会(ICEVI(外部リンク))と連携し、視覚障害者が一般学生と同等の教育環境で勉学に励み、就職することができるよう、インドネシア、フィリピン、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー、モンゴルの7カ国を対象に支援を行ってきました。

具体的には、視覚障害学生に向けた大学入学前準備研修や支援室の設置、教科書の点字化やデジタル教材の開発といった学生への支援を実施。さらに、教職員や政府関係者に視覚障害者のニーズと受け入れ方法を教えることで、大学や政府の認識を変えていく活動も併せて行いました。また、かねてより課題となっていた就労支援についても2015年より試験的に開始しました。

具体的な支援の取り組みについて

2006年にインドネシアでパイロットプロジェクトを実施し視覚障害学生100名に対して支援を行いました。その後、2007年にはフィリピンとベトナムに事業を拡大し、2010年からカンボジアも対象としています。その後、ラオス、ミャンマー、モンゴルにも支援を拡大し、7カ国を対象にしていました。2023年12月に事業が完了しました。

多くの視覚障害学生は、今では支援技術や教材を活用して「自立した学生生活」を送り、また卒業生間のネットワークを形成し活躍している学生も増えているため、大学や社会の認識は大きく変わりつつあります。

事業開始当初、支援を受けた視覚障害学生は4カ国で300名弱でしたが、2023年の事業完了時には、7カ国で3,000名を超え、支援を受けた学生も増加しました。また2015年より試験的に就労支援を開始し、550名超の視覚障害学生が就労支援を受け就職しました。

今後は、インドネシアのミトラネトラ財団と連携し、視覚障害者が一般学生と同等に高等教育機関で学び卒業後、希望する仕事に就くことができる社会の実現を目指して、東南アジア地域での視覚障害者の就労支援に取り組んでいきます。

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日本財団 特定事業部 障害インクルージョンチーム

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