
アジア太平洋7カ国における視覚障害学生の高等教育および就労支援(ICEVI)とは
事業開始当初、アジアの途上国で初等教育を受けている視覚障害児の割合は10%弱であり、高等教育を受けている視覚障害者は1%弱といわれていました。ベトナム、インドネシア、フィリピン、カンボジアで高等教育に進む視覚障害学生は徐々に増えてはいるものの、大学には十分な学業支援体制がなく、多くの学生は家族や友人の助けを借りながら勉強していました。
日本財団は、国際視覚障害者教育協議会(ICEVI(外部リンク))と連携し、視覚障害者が一般学生と同等の教育環境で勉学に励み、就職することができるよう、インドネシア、フィリピン、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー、モンゴルの7カ国を対象に支援を行ってきました。
具体的には、視覚障害学生に向けた大学入学前準備研修や支援室の設置、教科書の点字化やデジタル教材の開発といった学生への支援を実施しました。さらに、教職員や政府関係者に視覚障害者のニーズと受け入れ方法を伝えることで、大学や政府の認識を変えていく活動も併せて行いました。また、かねてより課題となっていた就労支援についても2015年より試験的に開始しました。
具体的な支援の取り組みについて
2006年にインドネシアでパイロットプロジェクトを実施し、視覚障害学生100名に対して支援を行いました。その後、2007年にはフィリピンとベトナムに事業を拡大し、2010年からカンボジアも対象としました。さらにラオス、ミャンマー、モンゴルにも支援を広げ、7カ国を対象に事業を展開しました。2023年12月に事業は完了しました。
多くの視覚障害学生は、支援技術や教材を活用して「自立した学生生活」を送り、卒業生間のネットワークを形成しながら活躍の場を広げています。大学や社会の認識も大きく変わりつつあります。
事業開始当初、支援を受けた視覚障害学生は4カ国で300名弱でしたが、2023年の事業完了時には7カ国で3,000名を超えました。また、2015年より試験的に開始した就労支援では、550名超の視覚障害学生が支援を受け、就職を実現しました。
ICEVI事業は2023年12月に完了しました。多くの卒業生が支援技術や教材を活用しながら自立した学生生活を送り、卒業後もネットワークを形成し活躍しています。こうした成果を基盤に、取り組みは次の段階へと発展しています。
高等教育支援の成果を基盤とした現在の取り組み

2024年より、日本財団はインドネシアのミトラネトラ財団と連携し、インドネシア、フィリピン、ベトナムにおいて、視覚障害者の持続可能な就労支援モデルの構築に取り組んでいます。高等教育支援で培ったネットワークと知見を活かし、「教育から就労へ」の移行段階を重点的に支援しています。
企業や行政機関と連携した雇用主フォーラムや就職フェアの開催、視覚障害者に特化した雇用情報一覧の整備および雇用斡旋を通じて、就労機会の拡大を図っています。あわせて、対人コミュニケーション能力などのソフトスキル研修やITスキル向上研修を実施し、就労に必要な能力強化を進めています。
さらに、保護者や職業安定所職員など関係者への啓発活動を展開し、社会側の受け入れ環境の整備にも取り組んでいます。東南アジア地域において持続可能な就労支援体制を確立し、視覚障害者が希望する仕事に就き活躍できる社会の実現を目指しています。
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日本財団 特定事業部 障害インクルージョンチーム
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