日本財団・大阪大学感染症対策事業

2020年、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより世界中が混乱する中、国産ワクチンの開発は進まず情報も錯綜、国民の生活は混乱し、経済的にも大きなダメージを受けた。
2021年9月、当財団は大阪大学に対し10年間で230億円規模の支援を行い、感染症対策に取り組むことを発表した。この支援は、新型コロナウイルス感染症の対策にとどまらず、今後も起きると考えられている感染症の脅威に備えるため、特に国の支援が手薄になっている基礎研究への支援を中心に、エビデンスに基づいた情報発信、感染症分野の人材育成を行うことを目的にした一大プロジェクトだ。異分野の研究者たちが集い融合研究を進めるための研究拠点も建設される。9階建てとなる建物のデザインは、世界的な建設家である安藤忠雄氏が手がけることとなった。「宇宙船地球号」をイメージしたというこの建物には「世界中の優秀な研究者が集まり、力を合わせて感染症研究に取り組んでほしい」という安藤氏の想いが込められている。
本事業は、国内外の優秀な研究者たちに門戸を開き、基礎研究と異分野融合研究を重視した最先端の感染症研究拠点となることを目指している。

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建築家の安藤忠雄氏が「宇宙船地球号」をイメージした研究棟の模型

(長谷川 隆治/経営企画広報部)