2030年までに世界の海底地形の100%解明へ国際機関等と連携し「海底地形図」の完成に挑戦

日時:2016年6月15日(水)〜6月17日(金)
会場:モナコ公国 海洋博物館
写真:フォーラムの様子
フォーラムには220名が参加
日本財団は、モナコ公国でGEBCO指導委員会(※1)と共催した国際フォーラムにて、2030年までに世界の海底地形の100%解明に向けた新規プロジェクトの立ち上げを宣言しました。海底地形は、地球上の海の総面積の15%しか判っておらず、火星の地表(地形)よりも把握が遅れているとされています。この状況を打破すべく、日本財団は、海底地形図作成の専門家だけでなく、資源掘削、環境、IT等の多様な分野と協働しながら、人類にとって未知のフロンティアである海底地形の全容解明に挑みます。
写真
握手を交わすモナコ公国大公と笹川陽平
世界の海底地形を解明しようという試みが始まったのは、モナコ公国のアルベールⅠ世大公殿下がその必要性を提唱した20世紀初頭にまで遡ります。海底地形に関する情報は、船舶の航行安全の確保、津波や台風といった災害や気候変動の予測、海底エネルギー資源分布の把握、事故で消息を絶った飛行機の捜索等にも活用されています。これらの情報をまとめた「海底地形図」の完成は、海の持続的利用だけではなく、人の生活や安全につながります。
日本財団は、2004年以降、海底地形図作成に携わる人材育成事業(※2)に取り組んでいますが、海底地形図の作成や情報更新ができる専門家が世界的に不足しているため、海底地形図の作成が進展していません。この問題を解決すべく、日本財団とGEBCO指導委員会は、既存の専門家だけでなく様々な分野の知見や経験を結集し、海底地形図の完成を促進することを目的に、国際フォーラムを開催しました。
本フォーラムには、日本財団会長笹川陽平、モナコ公国のアルベールⅡ世大公ほか、Google、NASA、IUCN(国際自然保護連合)など国際機関や企業、政府関係者、日本財団がGEBCOと実施している人材育成事業の修了生等約220人が出席し、海底地形図の完成に向けた取り組み、海底地形図の活用方法等について活発な議論を交わしました。
  1. GEBCOとはGeneral Bathymetric Chart of the Oceans(大洋水深総図)の略称。GEBCO指導委員会は、国際水路機関、ユネスコ政府間海洋委員会が共同で推進する世界唯一の公的な海底地形図を作成している。
  2. 日本財団は2004年にGEBCO指導委員会と共同で、海底地形図作成の専門家の育成を始め、現在までに33カ国72人(うち日本人は12名)の専門家を輩出。彼らの活躍は世界中に拡がり、海底地形データが無い海域の調査や、既存の海底地形図の精度向上などに携わっている。

フォーラム概要

  1. 名称:日本財団 – GEBCO(大洋水深総図指導委員会)「未来の海底地形図についての国際フォーラム」 The Nippon Foundation – GEBCO「Forum for Future Ocean Floor Mapping」
  2. 主催:日本財団、GEBCO指導委員会
  3. 日時:2016年6月15日(水)〜6月17日(金)
  4. 会場:モナコ公国 海洋博物館
  5. 主な出席者:
    • モナコ公国大公 アルベールⅡ世殿下
    • 日本財団会長 笹川 陽平
    • GEBCO指導委員会委員長 谷 伸
    • 国際水路機関(IHO)理事長 ロバート・ワード

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電話
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