無人運航船の実証実験にかかる技術開発助成プログラム 申請ガイド

1. 本プログラムの趣旨

近年、IoT (Internet of Things)や人工知能(AI)などデジタル技術の進展に伴い、産業全体に自動運転・無人運転の大きな流れが押し寄せています。例えば自動車分野では世界中で開発が進んでおり、日本においても一般車両からトラックの隊列輸送や宅配輸送など、様々な用途での実証がなされています。これら技術の進展により、安全性の向上による自動車事故件数・死傷者数の減少、過疎地域における交通・物流ネットワーク構築、さらには深刻化するドライバー不足への対処が期待されています。

海上物流分野においても、既に北欧を中心に無人運航の取り組みが進んでいます。例えば、2018年12月、英国ロールスロイス社がフィンランド国営フェリー事業会社と共同で短距離フェリーの完全自律運航を実証しています。また、ノルウェーのYara International社が2022年を目処に完全自律型コンテナ船を運航する予定としています。かかる状況を踏まえると、無人運航船は、近い将来、実用レベルに達する可能性が高いと考えられます。

一方、我が国においては、2016年より国土交通省がi-Shipping(Operation)として、IoT技術やビッグデータ解析を活用した船舶、舶用機器に対する技術開発支援を開始し、さらに2025年までに自動運航船の実用化を目指すなど、自動運航推進の動きがあります。また、日本財団が2019年4月に発表した報告書「無人運航船がつくる日本の未来-Future 2040」では、2040年には国内を航行する船の50%以上、かつ新たに建造される船の全てが無人運航になると予測し、かつ無人運航船がもたらす経済効果は約1兆円に達するとしています。このように、無人運航推進の流れは存在するものの、実際に普及するには技術面や安全性に対する社会的な理解等、様々なハードルが存在します。

そこで、本助成制度は、世界に先駆けて内航船における無人運航の実証試験を成功させることで、本分野の技術開発への更なる機運を醸成し、その結果我が国の物流及び経済・社会基盤の変革を促進するべく、当該技術開発を支援するものです。

2. 対象となる団体

  • 自社の技術の強みを無人運航船分野に活かしたいと考えている日本法人の企業
  • これまでの無人運航船分野の経験、企業規模は問いません。新規参入を目指す他分野・ベンチャー企業からの提案も歓迎します。

3. 対象となるプロジェクトの内容

本プログラムの趣旨に沿った無人運航船の実証実験に係る研究開発で、以下に該当するものを対象とします。

  1. 実証実験内容:試設計から試運転、実証実験までを対象とします。実証試験時(離岸~航行~着岸)は船員同席のシャドー運航での実施となります。
    • 本事業は実証実験の実施(離岸~航行~着岸)までを対象としていることから、事業の実現可能性を評価するフィージビリティスタディー事業や、離着桟システムのみの実証試験等一部の試験のみを実施する事業は支援対象となりません。
  2. 航路:新規航路、既存航路両方を対象とします。
  3. 技術開発内容:新技術は日本製、海外製は問いません。他分野の技術も支援対象です。一方で、既に実用化/商品化されている技術や、他の補助事業で実証中の技術は対象となりません。
  4. 技術検証:離着桟支援システム、陸上支援システムの検証は必須です。
  5. 内航船の対象範囲:船の種類、旅客/貨物の別は不問です。本邦港間を就航する近海船(近海区域を就航する外航船)も含みます。
  6. 建造条件:既存船を対象とします。
  7. 人材要件の検証:無人運航船技能者(陸上で運航船舶をモニタリングする者)については任意となります。

4. 本プロジェクトの枠組み

コンソーシアム組成とプロジェクトごとの申請について

本実証実験の規模とそれにかかる技術開発は、単独企業や団体での実施は困難なことから、事業推進においてコンソーシアム(共同実施体)を組成いただいた上で、ご申請いただくこととなります。コンソーシアムの体制には、研究開発を実施する事業社や、各プロジェクトの取り纏めの事業社など事業推進に必要な団体で構成されるものです。スタートアップ企業や中小企業等も含めて組成ください。

また、申請は研究開発のプロジェクトごとにご申請ください。各コンソーシアム内に複数の技術開発プロジェクトが存在することが予想されます。その場合は個別にご申請いただき、事業名にコンソーシアムごとにわかるようにご記載ください。

オープンデータ公開について(検討中)

また、運航において抽出されたデータをオープンデータで公開する仕組みも検討していることから、データプラットフォームの参加も求められます。公開範囲等は検討中です。

5. 対象となる研究期間

  • 開始日:2020年1月1日以降
  • 終了日:2020年12月31日(予定)

6. 助成金の補助率

研究費総額に対する助成金の補助率は、原則として80%とします。ただし、財団が特に必要と認める場合にはその限りではありません。

7. 対象となる経費

対象となる経費は、技術開発の実施に必要な経費とします。

  • 費目は各法人の会計規則などにあわせてご記入ください。

経費は以下の例を参考にしてください。

費目(例) 内容
施設費 実験施設借り上げなど
機械装置費 実験設備の購入など
工具器具備品費 研究に直接必要な備品等の購入費
材料費 研究に直接必要な材料等の購入費
使用料 データ使用料など
プログラム取得費 ソフトウェアの取得など
直接人件費 技術者や研究者の人件費のうち、研究に直接従事した割合を按分したもの
業務委託費 調査研究、翻訳作業など事業の一部を他に委託する費用(委託先は原則として国内に限る)
旅費交通費 研究に直接必要な移動に係る経費
雑費 少額かつ上記経費項目に含めることができない諸経費
  • 本助成プログラムでは、実証試験時の燃料代や、プロジェクト推進を担うコーディネーター等の人件費も補助対象となります。詳細に関してはお問い合わせください。

8. 申請手続き

申請受付期間

2019年10月1日(火)11:00〜2019年11月29日(金)17:00まで
申請後、1時間前後経過しても受付確認メールが届かない場合はご連絡ください。

申請の方法

  1. 公益事業コミュニティサイト「CANPAN」の団体IDをお持ちでない場合、IDをCANPAN FIELDS(外部リンク)より取得してください。なお、団体IDの取得にはCANPAN FIELDSにユーザー登録(個人登録)を事前に行う必要があります。詳細はCANPANの団体登録についてをご確認ください。
  2. 以下のボタンから必要事項を記入の上、ご申請ください。

9. 結果の通知

審査の結果は、2019年12月下旬以降にお知らせの予定です。
それ以前の採否のお問い合わせには、お答えできませんのでご了承ください。

10. 条件および留意事項

助成事業を実施する際には、いくつかの条件及び留意事項があります。
申請の時点でご確認いただきたい事項は下記の通りです。

(1) 助成契約の遵守について

助成事業として決定した際には、まず日本財団との間で「助成契約」を締結します。締結した「助成契約」に反する行為があった場合は、助成金の返還請求等を行うこともありますので、契約を遵守してください。
また、助成事業終了後5年間は、事業関連の書類や取得物保管等の善管義務が発生しますのでご注意ください。

(2) 助成表示について

日本財団が別途定めた助成表示を成果物等に表示していただく必要があります。

(3) 完了報告書の提出について

助成事業の完了後は、完了後15日以内に事業完了報告書(収支計算書を含む)をご提出いただきます。

(4) 監査及び事業評価について

助成事業の完了後、研究内容と研究費を監査します。また、今後の事業のより良い実施を目指し、事業評価を行うことがあります。監査及び事業評価の結果は、ウェブサイトなどで公表します。

(5) 個人情報の取り扱いについて

日本財団が助成申請に際して収集した個人情報は、日本財団の個人情報保護方針に基づき、助成事業に関する事務手続き、助成金の募集案内、日本財団に関連するイベント案内、アンケートの実施、各種お知らせのみの目的に利用します。

(6) 研究結果の公表

成果報告書を作成の上、日本財団図書館(外部リンク)に掲載いたします。詳細についてはお問い合わせください。

(7) 知財関係

研究終了後、5年間は、知財の譲渡売却、知財化などについて、事前に財団へ報告を行っていただきます。

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