日本財団職員による現場レポート:災害支援のインフラとしての日本財団

日本財団経営企画広報部です。日本財団の災害ボランティアへの支援活動の取り組みと、その助成先の災害ボランティアによる未だ生活再建の進まない被災地での重機を使った家財や車両の取り出しの支援活動についてご報告します。

日本財団の助成による家財取り出し支援

日本財団は災害ボランティアの方たちの被災地での支援活動の助成を行っており、そうした助成先の取り組みの1つとして、倒壊家屋からの家財の取り出しがあります。
能登半島地震は多くの建物の倒壊を引き起こしました。その際、被災者の方の思い出の詰まった車や家財が倒壊した家屋の下敷きになり、取り出せないまま何カ月もそのままという状況が続いています。
日本財団は皆さまの寄付金をもとに技術系NPOの方々とともに、現地の被災者の方々の要望に応えて、倒壊家屋からの車両や家財の取り出しを行っています。
取り出してほしいと要望される家財の中には生活に必要なものから、思い出の詰まったアルバムや故人の位牌に遺影、遺品、お金とさまざまなものがあり、被災者の方の立会いの下で搬出作業を行っています。

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倒壊家屋での重機を用いた作業(珠洲市3月7日)
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倒壊した家屋からの車両の救出作業(珠洲市3月9日)
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倒壊家屋の中での家財の取り出し作業(珠洲市2月29日)
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桟橋下に流された車両救出作業(珠洲市3月11日)

倒壊した家屋からの車両や家財の取り出しは一個人では到底できるものではないため、どれだけ必要なもの、大事なものがあったとしても取り出すことを諦めている方も多くいらっしゃいます。そうした現状がある中で、この支援活動は被災者の方に非常に喜んでいただけるものであり、中には涙を流して喜んでいただける方もいらっしゃいます。

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地域の催事でも使われる太鼓の救出(珠洲市3月7日)
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倒壊家屋からのひな人形の救出(珠洲市3月4日)

日本財団の助成以外の取り組み

日本財団は以上のような災害ボランティアの方たちの被災地での支援活動に助成を行っていますが、それだけではなく、支援活動の「ハブ」として、被災地での支援活動を行う団体の全体調整業務や、災害ボランティアの方々が現地で円滑に支援活動を行っていただけるような拠点を整備する活動も行っています。こうした活動は災害支援活動のインフラとして、災害ボランティアの方たちが円滑に活動を遂行していただくことに寄与しています。

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珠洲市社会福祉協議会での支援組織の定例会議の様子(珠洲市2月27日)
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日本財団の珠洲市拠点での災害ボランティアの方たちとの集合写真(珠洲市3月2日)

震災から2カ月が経過する今でも、地理的条件や行政の対応が追い付いていないことから生活再建が進んでいない現状があります。
その中で民間の立場だからできることに全力で取り組んで行きたいと思っています。皆さまからのあたたかなご支援により、被災者のために活動できることに感謝申し上げます。