アジア太平洋における手話言語学の普及及び手話辞書の作成 (香港中文大学)

聴覚障害者のうち、手話を第一言語とするろう者は手話でコミュニケーションを行いますが、彼らが聴者の社会に参画するためには、手話の社会的な認知と手話通訳者の養成が不可欠となります。しかし、アジアの多くの国々は、手話通訳制度はもとより、手話の辞書や手話を教えるための教材なども整備されていません。たとえ手話の辞書があったとしても、そのほとんどは単純な語彙集で文法の解説等はありません。また、聴者だけで作ったために文法が間違っていたり、ろう者に通じないような手話が含まれていたりすることもあります。

写真
コンピューターで手話辞書作成の作業をする カンボジアの聴覚障害者

そのため、日本財団はアジア太平洋諸国において実用的な手話辞書をつくる事業を支援しています。この手話辞書の特徴は、音声言語からでも、手話からでも双方向から調べられるものであることです。また、辞書に加えて、手話の語彙を文法上の利用方法を含めて教えられる手話教材も作成します。これにより、手話辞書が実際に手話を普及する上で使いやすいものとなります。

世界ろう連盟は「高度に母語の手話を利用できるろう者は(中略)手話の図式的な教材を作成するための研究活動において重要な役割を担うべきである」と述べていますが、アジア太平洋諸国には十分な言語学のトレーニングを受けたろう者はほとんどいません。そのため現在、香港中文大学でインドネシア、スリランカ、フィジー、日本の聴覚障害者がこのプログラムで手話言語学の勉強をしています。また、ベトナム、カンボジアでも手話辞書の作成を続けています。

実施国:香港・ベトナム・カンボジア・フィリピン、インドネシア、スリランカ、フィジー、日本

日本財団による助成金

  • 2011年: 635,600米ドル
  • 2010年: 654,500米ドル
  • 2009年: 579,000米ドル
  • 2008年: 853,000米ドル
  • 2007年: 695,000米ドル
  • 2006年: 495,300米ドル
  • 2005年: 209,000米ドル
  • 2004年: 208,700米ドル
  • 2002年: 209,600米ドル

助成金合計額:USD 4,539,700