The Nippon Foundation-Nekton Ocean Census10年で10万種の新種生物発見
The Nippon Foundation-Nekton Ocean Censusは、日本財団とNekton財団によって設立された、未知の海洋生物発見のためのグローバルイニシアチブであり、科学、メディア、ビジネス、市民社会など各セクターの協働に基づくオープンネットワークで構成されます。
本プロジェクトでは、未知の海洋生物を発見するため、世界中の海域のうち生物多様性が豊富とされているホットスポットで探査を行い、採取された生物サンプルは、世界中に設置予定の生物多様性センターにおいて解析されます。また、解析された情報は科学者や政策決定者のみならず一般市民など、誰もが自由にアクセス可能となる予定です。
プロジェクトにおける3本の柱
1.各海域の探査
深度によって、ダイバー、有人潜水艇、遠隔操作船(ROV)、自律型海中ロボット(AUV)といった高度な技術を組み合わせ、世界中の海域のうち生物多様性が豊富とされているホットスポットを表層から深海まで探査。Ocean Censusの単独探査だけではなく、研究機関、政府機関、民間企業等によって既に企画されている探査に研究者を派遣する協力調査など、様々な探査手法を通じて、多様なセクターとの協働で探査を推進していきます。また、他団体の探査にポータブル式解析キットを提供し、採取されたサンプルを本プロジェクトのセンターに送ってもらうことで、効率的な情報収集の体制を構築。初年度の新種発見数として4,650種を目標とし、最初の10年間で少なくとも10万種の新種発見を目指します。
2.生物多様性センターでの解析
採取された生物サンプルは、オックスフォードの「Ocean Census生物多様性センター」(本プロジェクト本部)ほか、世界中に設置予定の生物多様性センターに送られ、高解像度での画像化およびDNA塩基配列の決定が行われます。DNAシークエンシングや機械学習などの最新技術を活用するほか、クラウドベースでの分類学者のネットワークを構築することで、最短でも1~2年かかると言われている新種発見から登録までのプロセスを、本プロジェクトでは数か月程度で完了させることを目標とし、大幅なスピードアップとスケールアップを図ります。
3.海洋生物情報発信による周知啓発
生物多様性センターで解析された情報は、形式を標準化したうえでデジタル化、「Ocean Census Biodiversity System」においてオープンソースとして一元的に管理されることで、科学者や政策決定者のみならず一般市民など、誰もが自由にアクセス可能となります。さらには、探査の途上で得られた映像記録等を通して、オリジナルコンテンツの制作やメディア・SNS上での発信を行い、専門家のみならず一般市民を巻き込んだ形で、未知の生物の発見という海の可能性および生物多様性や海洋環境の把握の重要性を訴求していきます。
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お問い合わせ
日本財団 海洋事業部
- 担当:中廣・矢ヶ﨑
- メールアドレス:kaiyo_info@ps.nippon-foundation.or.jp