水素燃料電池洋上風車作業船コンソーシアム~世界初の水素燃料電池×バイオディーゼルを活用した洋上風車作業船の実現~

プロジェクト概要

洋上風力発電施設への人員輸送や関係者の現地視察・見学等に利用可能な水素燃料を動力とする洋上風車作業船を開発します。本プロジェクトの水素燃料電池船は同型船と比較して二酸化炭素排出量を53~100%削減可能となり、海運業界からの温室効果ガス削減に貢献することができます。また、客室内は段差の高さや通路の幅・間隔を意識したバリアフリー設計とし、乗船される全ての方にとって快適な船内空間が実現できるよう工夫しています。

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水素燃料電池船による洋上風力発電施設視察のイメージ図

開発状況(2023年6月現在)

2022年度の助成事業では、水素燃料電池船のコンセプトとなる基本設計が概ね完了しました。設計検討にあたっては、国土交通省海事局の「水素燃料電池船の安全ガイドライン」に基づき、想定される船舶の航行エリア・運航パターンや船体模型を用いた水槽試験・風洞試験の結果を考慮し、洋上風車作業船として最適となる仕様を検討しました。
水素燃料電池船については、プレジャーボート等の小型船舶で実証実験レベルでの検討は実施されているものの、商用化を前提とした実績は日本国内でもございません。また、船舶用の水素関連機器もほとんど存在しない状況から、燃料電池自動車や陸上のガス製造プラント等で実績のある技術や機器を調査・選定し、仕様の検討を実施しております。

開発のポイント

本プロジェクトで開発している水素燃料電池船は、水素燃料電池、リチウムイオンバッテリー、及びバイオディーゼル燃料を動力源としています。動作モードは、大きく分けて①ゼロエミッションモード(水素燃料電池、リチウムイオンバッテリーを活用)②通常モード(水素燃料電池、リチウムイオンバッテリー、及びバイオディーゼル燃料を活用)の2つのモードであり、状況に応じて任意に選択し、航行できるシステムを採用します。
ゼロエミッションモード、通常モードと状況に応じて任意に変更し、航行可能な同システムは、世界的に見ても例は無く、今後、内航貨物船や国内の旅客船など様々な船型への導入・採用促進の可能性が見込まれると考えています。

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水素燃料電池船の航行イメージ

今後について

基本設計で確定した仕様について、国土交通省やその他の研究機関などの協力を得ながら、水素燃料電池船の詳細設計を進めるとともに、リスクアセスメントにより、安全についての妥当性を評価します。また水素燃料電池船や水素に関連する本船搭載機器などの各種認証を取得することで、環境対策と高度な安全性を実現した洋上風車作業船ならびに内航人員輸送船の技術開発を目指します。

関係者コメント

髙尾 和俊(株式会社MOTENA-Sea 代表取締役社長)

プロジェクトの構想から約3年。この船舶のミッションである洋上風力発電の作業や事業に始まり、近い将来には新たな船の在り方を提案していくことになると想像しています。
水素を活用した船舶を国内外で普及させるためのファーストペンギンのようなこのプロジェクトを通じ、新たな海の活用と水素を活用した環境対策について身近に感じて頂ける『洋上の浮かぶアミューズメント船』を目指していきたいと考えています。

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廣瀬 華子(株式会社MOTENA-Sea 取締役 営業・広報担当)

営業・広報、燃料(水素/バイオ燃料)の調達を担当しています。
水素技術の活用・普及に努めるとともに、私たちのプロジェクトでは『水素』を燃料とする船で、新たなサービスのご提供もテーマの一つとなっています。
弊社名MOTENA-Sea(モテナシ-)は「新たなおもてなしを海というフィールドで実現する」という思いが込められており、多くの皆さまに水素や船に親しみを感じて頂けるような事業にしてきたいと考えております。

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