日英グローバル・セミナー2014「グローバルな課題への取り組みと国民国家の役割:日英協力の可能性」

日本・東京

ご来場の皆さま、この度、私ども日本財団は、英国王立国際問題研究所(以下、チャタム・ハウス)、グレイトブリテン・ササカワ財団とともに、「グローバルな課題への取り組みと国民国家の役割~日英協力の可能性~」を開催できることを大変嬉しく思います。本日、ジョン・メージャー元英首相には、基調講演のためにご出席を賜り、大変光栄に存じます。また、日英両国のために継続してご尽力くださっているティモシー・ヒッチンズ駐日英国大使に心より感謝申し上げます。

ロビン・ニブレット所長率いるチャタム・ハウスの皆さまには、本会議開催にあたり、強いリーダーシップを発揮くださり、心より御礼申し上げます。そして、第2回会議のために、ヨーロッパ、米国、アジアから多くの皆さまがご参加くださったことを大変嬉しく思います。

日本財団は、世界各国の重要なパートナーとともにグローバルな課題の解決にあたりたいと考え、フランス、中国、米国、スカンジナビア及び中東地域等との間に財団や基金を設立してきました。今回、本会議を共催しているグレイトブリテン・ササカワ財団もそのひとつです。1985年に設立されたグレイトブリテン・ササカワ財団は、日英の相互理解促進の強化、そして、両国の懸け橋となるだけではなく、より大局的な視点でグローバルな課題に取り組むことができる人材の育成を目的としています。本日は、セント・アンドリュース伯・グレイトブリテン・ササカワ財団会長をはじめ、日英両国からご出席いただいた理事の皆さまを心より歓迎いたします。

20世紀は戦争の世紀でありましたが、21世紀は平和の世紀になるだろうとか平和の世紀にしなければならないだろう、という期待も寄せられていました。しかし、世界情勢に目を向けると、人口増加、経済格差の拡大、頻発する自然災害、国際紛争やテロリズムの脅威の増大など様々な問題があることは非常に残念なことです。このような状況下でチャタム・ハウスとともに問題解決への取り組みがはじまり、各分野を代表する研究者や専門家の皆さまからのご協力を賜り、大変感謝申し上げます。

さて、5カ年計画の2年目を迎える本会議は、グローバルな課題解決のために日英両国がともに取り組む方法を模索することを目的としています。昨年の第1回会議は、チャタム・ハウスの皆さまの強力なリーダーシップのお蔭でグローバルな課題について幅広く議論され、成功裡に終わりました。昨年、素晴らしい議論のベースが出来上がり、今年の第2回会議では、より焦点を絞ったテーマについて議論します。

具体的には、「破綻国や破綻しかけている国の課題」、「自然災害・人的災害の影響」、そして、「旧権威主義体制から民主主義への移行に関する実際的問題」という3つのテーマが議論されます。アジア、ヨーロッパ、アメリカから様々なバックグラウンドや専門性をもったスピーカーが議論に参加します。本日ご参加の皆さまとともに、グローバルな問題についての知識を深めるだけではなく、多面的・多角的に議論をし、日英がともに手を取り合って、これらのグローバルな課題に取り組むための道筋を探ることができると確信しています。

チャタム・ハウスと日本財団が開催する日英グローバル・セミナーがさらに発展し、世界の有識者が注目するプラットフォームとなり、多くの方々が参加し、諸外国が注目するメッセージを発信できる場になることを願っています。