日本財団 - スコットランド開発公社間における海洋開発に関する協力覚書調印式

スコットランド・アバディーン

本日、「ニッポン – スコットランド ジョイント オーシャンイノベーションプログラム」の覚書調印式に参加できたことを大変嬉しく思います。

日本とスコットランドの間には、様々な専門的な分野での交流の歴史があります。スコットランドにまいりますと、私は、この地に渡り日本ではまだ知られていなかった技術を学び持ち帰ったある1人の若い日本人のことを思い起こします。持ち帰った技術とその後の研究開発によって、この日本人はついに上質の蒸留酒の製造に成功しました。

何のことかお分かりにならない方のためにご説明すると、彼の学んだその技術とは、ウィスキーの蒸留技術でした。

日本にもたらされてから1世紀を経て、ウィスキーはどのような場においても洗練さを加える飲み物となりました。

さて、この度、日本とスコットランドは、海洋開発の世界を変える新たな技術のために協力することとなりました。本日、スコットランド開発公社と日本財団が、新しい共同研究開発支援プログラムを立上げることをお知らせでき光栄に思います。複数の共同事業から成る本プログラムは、海洋開発におけるイノベーションを起こすための基礎研究を支援するものです。

実は、日本財団にとって、スコットランド政府との共同プログラムを立ち上げるのは初めてではありません。昨年、海洋分野における人材育成の一環として、工学を専攻する日本人学生をロバート・ゴードン大学に派遣する共同プログラムを立上げました。本日、覚書を締結する「ニッポン – スコットランド ジョイント オーシャンイノベーションプログラム」は、私たちの協力関係を次のレベルに引き上げるものになるに違いありません。

海洋開発は広大なフロンティアであり、スコットランド政府と日本財団は共にそのフロンティアを開拓しようとしています。本プログラムでは、新境地を開き、既存のやり方に挑戦する共同事業を支援すべく、スコットランド開発公社と日本財団で等しく資金提供し、総額は2,000万米ドル規模の支援となります。本プログラムは、海洋開発のイノベーションの新しい種を育てるものです。この種を芽吹かせて、イノベーティブな海洋開発技術として花開かせるために、スコットランド、日本の双方から世界を牽引する専門家が結集します。

ブラウン大臣と在英国日本大使鶴岡閣下のご臨席を賜りまして、誠にありがとうございます。

海洋開発において共同でイノベーションを促進する第一歩にご尽力くださったマッギンレイ氏とスコットランド開発公社の職員の皆さまに御礼申し上げます。

また、日本財団とスコットランド政府をつないでくださったヒスロップ大臣に、この場をお借りし、あらためて感謝申し上げます。

本覚書の締結を機に、海洋技術開発につながるイノベーションが起きることを期待しています。いつの日かイノベーションが起こった暁には、皆さまと最高のスコッチウィスキーでお祝いしたいと思います。