ジャカルタ義肢装具士養成事業引渡式典
この度は、先月末に、美しいジャワ島とスマトラ島を襲った津波により多くの方々が犠牲になりましたこと、心よりお悔やみ申し上げます。また、衷心より被災地域の一日も早いご再興を祈っております。
本日、ジャカルタ義肢装具士養成学校(JSPO)のインドネシア政府への引渡式典に参加できたことを嬉しく思います。そしてご列席の皆さまのJSPOに対するご支援とご協力に対して感謝いたします。
日本財団はインクルーシブな社会の実現を目指し、様々な活動に取り組んできました。中でも、日本財団設立当初から50年以上にわたり障害のある方への支援に力を入れてきました。とりわけインドネシアでは、義肢装具士養成事業に力を入れており、2009年から合計1,140万ドルをJSPOに支援してきました。
私たちがJSPOに支援を開始した当時、すでに義肢装具に対する高いニーズがありました。それは、急激な工業化や自動車交通の発展に伴い、交通事故、工場事故、健康の問題が増加していたからです。残念なことに、それは義肢装具の慢性的な不足につながりました。さらに、義肢装具の質と適切なフィッティング技術という2つの課題がありました。
こうした課題を考慮して、JSPOはこの10年絶え間なく、多くのユーザーからその技術を高く評価されるたくさんの優秀な義肢装具士を養成してきました。ある義肢装具ユーザーは、学校に歩い通える喜びを語りました。またあるユーザーは、彼らの工場で積極的に働けるようになりました。質が高く、フィットした義肢装具によって、ユーザーたちは身体の動きを回復し、教育、就業、一層の社会参画といった夢を追い求めることができるようになったのです。つまり、本日お集まりのJSPOの生徒、卒業生の皆さまはユーザーの自信を取り戻し、もう一度彼らの夢に挑戦する力を与えてきたのです。皆さまには、困難を抱える人々のためのこのような大変意義ある仕事に誇りを持っていただきたいと思います。
2017年8月には、JSPOは、これまでの功績が国際的に認められました。JSPOは、インドネシアで初めてカテゴリー1を取得したのです。これは、義肢装具士養成の国際最高基準です。そして、この国際最高基準を誇る学校をインドネシア政府に引き渡せることを誇りに思います。
JSPOはこの素晴らしい国にインクルーシブな社会を達成するための礎を築いていくことによって、これからもこのサービスを必要とする人に希望を与え続けるでしょう。