ベトナムにおけるろう教育支援事業20周年記念式典

ビデオメッセージ

皆さま、こんにちは! (ホーチミン手話)

人民委員会、ドンナイ省教育訓練局、トラン・ミン・ホン博士、ファム・ヴァン・タン博士、ジェームズ・ウッドワード博士、グウェン・ティ・ホアさん、先生、生徒、保護者、卒業生、その他多くの関係者の皆さま。本日、ベトナムにおけるろう教育支援事業20周年記念式典にメッセージを寄せられることを嬉しく思います。

“One World One Family”。世界を1つの家族と捉え、政治・思想・宗教・人種・国境を越えた活動を実施することが日本財団の基本理念です。このグローバルな家族の根幹となるインクルーシブ社会を実現するために、私たちは障害者の能力開発支援活動には特に力を入れています。これまでに世界48カ国で障害者支援の事業を展開してきました。

思いおこせば20年前、ベトナムには中学を卒業したろう者は一人もいませんでした。当時は、残念ながら手話を使うこと、そしてろう者であると知られることは恥ずかしいといった風潮もあり、手話を使った教育が行われていなかったからです。

しかし、ジェームズ・ウッドワード博士とホアさんは、手話による教育でろう者がしっかり学び、社会で活躍する礎をつくりたいという大志を持っていました。当時は夢物語でしかありませんでしたが、二人の熱い情熱と決意から種が蒔かれ、アジア初のバイリンガルろう教育が始まりました。

蒔かれた種は、良い時も悪い時も、関わった全ての人たちに大切に育てられてきました。当事者の皆さまは勿論、関係者の皆さまが同じ目標を共有し、その達成に向けてたゆまぬ努力が続けられたのです。あれから20年を経た今では、中学部、高等部、そして教員養成プログラムでバイリンガルろう教育が実現されてきました。そして今日、その種は美しい花を咲かせるまでに成長しました。

多くの優秀な卒業生が、ろう学校の教師、ベトナムろう協会の会長、手話普及のためのNGOの創設者となり、社会の様々な分野で活躍しています。このプロジェクトで学んだ学生たちが、より美しい花を咲かせるために種を蒔いているという話を聞くのは大変喜ばしいことです。

皆さまの不断の努力は、バイリンガルろう教育のドンナイモデルを通じて、多くの美しい花を咲かせました。まさに本事業はアジアに誇れる革新的な取り組みだと言えるでしょう。ぜひドンナイ大学や人民委員会の皆さまには、本事業の更なる継続発展に対してより一層のご協力をお願いします。

ここドンナイから、バイリンガルろう教育の花をベトナム、そしてアジアで満開にしていくために共に力を合わせて参りましょう。

ありがとうございました!(ホーチミン手話)

※本ビデオメッセージは、日本財団YouTube(外部リンク)にて視聴できます。