グローバル・アピール2021オンライン宣言式典~ハンセン病に対するスティグマ(社会的烙印)と差別をなくすために~

ビデオメッセージ

世界保健機関(WHO)テドロス・アダノム事務局長、国際労働組合総連合(ITUC)シャラン・バロウ事務局長、ミシェル・バチェレ国連人権高等弁務官、ご来賓の皆さま。日頃のご支援と今回メッセージをお寄せいただき誠にありがとうございます。

そして、ハンセン病の差別撤廃に向けてご尽力いただいている皆さま、本日は第16回グローバル・アピール宣言式典にご参加いただき誠に感謝申し上げます。

ハンセン病と病にまつわるスティグマと差別のない世界。私はこんな世界を夢見て、40年以上にわたり世界各国で活動を続けています。これまでにジャングルから砂漠、絶海の孤島にいたるまで世界中を訪問してきました。

今やハンセン病は完治する病気であり、薬も無料であるにも関わらず、差別が消えることはありません。「神様の罰である」とか「遺伝をする病気である」といった偏見が依然として根強く存在しています。

こうした社会に蔓延る偏見をなくすべく、2006年にグローバル・アピールを始めました。ハンセン病患者、回復者には尊厳があり、人権があるのです。いわれのない差別は解消しなければなりません。

以来、グローバル・アピールは、政治、ビジネス、学術、宗教、法曹、医療など様々な分野からの賛同を得ています。

本年は、すべての働く人々の権利と利益を促進、擁護することを使命としているITUCと協力して、グローバル・アピールを宣言できることは、私にとって大変心強いことです。

働く権利を否定されるというのは、ハンセン病患者、回復者が直面する最も深刻な課題だといえます。ハンセン病と診断された瞬間から、たとえ回復したとても、いわれのない差別の為に生活の糧を失ってしまうのです。働く能力と意欲があるのに、このような差別的な理由で労働機会が奪われる。これは決して許されるものではありません。

ITUCと共にグローバル・アピール2021宣言を発信することで、社会の耳目を集め、ハンセン病回復者の働く権利が擁護されていくことを期待しています。

現在、世界の人々は大変困難な時を迎えています。社会の分断は顕在化、そして深刻化しています。しかし一方で、世界中の人たちが力をあわせ共に困難な時を乗り越えていこう、という動きが生まれていることもまた事実です。

“One World One Family”。これは、世界を1つの家族と捉え、政治・思想・宗教・人種・国境を越えた活動を実施するという日本財団の基本理念であり、私の大切としている信条です。

今この時ほど、このグローバルな家族として様々な困難を一緒に乗り越えていくべきではないでしょうか。

長らく社会に蔓延るハンセン病に対するスティグマと差別。これを一致団結してなくしていこうではありませんか。

ありがとうございました。

※本ビデオメッセージは、日本財団YouTube(外部リンク)にて視聴できます。