『船員の世界』出版記念ウェビナー

ビデオメッセージ

クレオパトラ・ドゥンビラ・ヘンリー・世界海事大学(WMU)学長、ヘレン・サンプソン・カーディフ大学教授、ヴィクター・ゲカラ・博士、お集りの皆さま。この度は、カーディフ大学国際船員研究センター(SIRC)への奨学金事業の成果の1つである『船員の世界』が、WMU書籍シリーズ9弾として出版されることを共にお祝いできることを心から嬉しく思います。また、本書を編纂下さったサンプソン教授、そしてゲカラ博士に改めて敬意を表します。

「海洋の危機は人類生存の危機である」という問題意識のもと、日本財団は50年以上前から、母なる海が静かな悲鳴をあげている実情に向き合ってきました。なかでも、海の持続的な活用には国際的な海洋秩序に基づく海事社会の発展が必要との認識から、SIRCにおける奨学金事業に加え、日本財団は36ヶ国69の機関が所属する国際海事大学連合(IAMU)を設立し、各国の海事大学で育成された船員の国際海事専門家(Global Maritime Professional)としての基準を統一するなど、質の高い人材の輩出を通じた船員の社会的地位の向上に向けた取組みを実施してきました。

こうした船員の重要性を高める取組みを進める中で、今回『船員の世界』が出版されたことは大変喜ばしいことです。特に今年の世界海事デーのテーマは「船員:海運の未来の中核」ということもあり、大変時宜を得た研究であるともいえます。しかしながら、海の存在の大きさや問題の多様性を考えると、1つの研究や1つの専門性だけをもって複雑に絡み合う現代の海洋問題を解決することはできません。是非とも皆さんが有するこうした研究成果や専門性を、組織や国境、分野を超えて共有し、「人類共有の財産である海」の未来の為に多くの仲間たちと連携していくことを期待しております。 改めて『船員の世界』の出版に祝意を申し上げると共に、500年そして1000年先の未来に健全な海を引き継ぐよう共に努力して参りましょう。

※本ビデオメッセージは、日本財団YouTube(外部リンク)にて視聴できます。