ミス・スプラナショナル・フォーラム: ハンセン病セッション

於: ビデオメッセージ

アンドレ・スレイ・ミススプラナショナル・クリエイティブディレクター、ハンセン病回復者団体の皆さん、お集りの皆さん。まずもってミス・スプラナショナル・フォーラムが盛大に開催されていることに祝意を表すると同時に、本日ハンセン病との闘いについてお話しする機会を頂き感謝申し上げます。

私とハンセン病との出会いは50年前になります。ハンセン病を無くす活動をしていた父と共に韓国にあるハンセン病療養所を訪れたのがきっかけでした。療養所にいる患者は絶望した目をし、傷口からは膿が出ており、正直申し上げれば私は入り口で立ちすくんでしまいました。私は若かったこともあり、このように差別を受けて苦しんでいる人がいるのかと大きな衝撃を受けたからです。しかし、父は患者を抱きしめ慈しんでいました。こうした父の姿を見て、私も父の仕事を引継ぎ、世界からハンセン病を無くすための活動にこの身を捧げたいと決心したのであります。以来、世界120ヶ国を超える国々において、ジャングルから砂漠、絶海の孤島に至るまで現場を訪問し活動して参りました。

ご承知の通り今やハンセン病は早期発見・早期治療をすることで完治する病気となり、薬は世界中無料で手に入ります。また、2010年には国連総会においてハンセン病患者、回復者及びその家族への差別撤廃決議が192ヶ国全会一致で可決されました。しかしながら、ハンセン病にまつわる厳しい差別・スティグマは深刻な人権問題として現代社会に静かに、そして大きく根付いています。

こうした差別との闘いの中で、3年前に私はミス・ブラジルとミス・インドに出会いました。彼女たちが、優しい眼差しと慈愛に満ちた精神で、当事者の声に耳を傾けながら、社会的に虐げられた人々の為に献身的に活動している姿をみて、私は深い感銘を受けました。そして彼女たちのように社会的に強い影響力がある人が、美しい心を持ち、ハンセン病に関する正しい知識を社会に対して発信し啓発することは、ハンセン病のない世界の実現に向けて大きな成果を上げてくれると高く評価しております。

ミス・スプラナショナルにご参加の皆さん、本日は、ブラジルとインドの回復者団体の代表が参加するセッションが予定されています。皆さんが、回復者の声に耳を傾け、ハンセン病に対するいわれのない偏見・差別に日常苦しんでいる人たちのために何か協力したいと考えて下さることを願っております。皆さんのご協力は、ハンセン病患者、回復者そしてその家族の皆さんの生活向上のための大きな力となるのです。同時に、その活動はきっと貴女方の人生にとっても大きな恵みとなるでしょう。皆さん、ハンセン病のない世界の実現に向けて共に活動して参りましょう。ありがとうございました。

※本ビデオメッセージは、日本財団YouTube(外部リンク)にて視聴できます。