31年ぶりに養子縁組家庭に関する調査を実施子どもへのかかわりや子ども自身の自己肯定感は一般家庭を上回る
日本財団は、生みの親のもとで暮らすことができない子どもたちが、養子縁組で育った場合、養親や養子がどのような生活状況にあるかを明らかにするために、2つの民間の養子縁組団体の協力を得てアンケート調査を実施しました。
2016年6月に公布された改正児童福祉法では、子どもが実家庭で育つことができない場合、家庭と同様の養育環境(養子縁組や里親・ファミリーホーム)で育てることが原則となりました。しかし、養子縁組家庭や里親家庭などの家庭養育が子どもの成長にどのような影響を及ぼすかについて、これまで十分に明らかになっていませんでした。特に養子縁組家庭への調査は、真実告知の有無やアクセスの難しさから、極めて僅少です。現在公開されている社会的なアウトカム(養親の職業生活状況や子どもの養育状況等)を把握できる調査は、31年前に民間団体がその団体の養子縁組家庭向けに行ったものが最後です。
日本財団では、養子縁組家庭の生活状況やニーズ等を把握することを目的として、調査を実施しました。親に対する調査に加えて、特別養子縁組または普通養子縁組によって迎えた子どもが10歳以上の場合については、子どもに対しても調査を行いました(該当する年齢の2人以上の子どもがいる場合は、年長の子どもについて調査)。その結果、養子縁組家庭では、養親が子どもへの積極的なかかわりをしており、経済面・精神面・生活面において安定的な養育環境を提供できていることが明らかになりました。さらに、養子本人の自己肯定感は一般家庭の全国平均よりも高く、社会的養護の子どもと比べても学業状況・通学状況がよいという結果となっています。
アンケート調査の概要
- 調査対象:養子縁組で子どもを迎えた家庭
- 調査方式:郵送配布・留置・郵送回収における自記方式
- 調査時点:2016年8月1日現在
- 調査期間:2016年8月~9月
- 発送数:263世帯(公益社団法人家庭養護促進協会大阪事務所経由196世帯、特定非営利活動法人環の会経由67世帯)
- 回収数:170世帯(親調査票168票、子ども調査票89票)
- 回収率:64.6%
調査結果の詳細は、日本財団ハッピーゆりかごプロジェクトページをご覧ください。
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