6月13日は国際アルビニズム啓発デー東京アルビニズム会議報告書公開
国連総会は2014年、アルビニズム(白皮症)について正しく理解し、アルビニズムの人々に対する差別や偏見をなくすことを目的に、毎年6月13日を「国際アルビニズム啓発デー」と定めました。
アルビニズムとは
アルビニズムは、メラニン色素合成の減少や欠損が原因で、民族や人種、性別にかかわらず、世界的に見られる遺伝性疾患です。アルビニズムの人々は多くの場合、視力障害で白い肌と白い髪を持ち、直射日光に弱く、日焼け止めの使用を怠ると皮膚癌罹患の危険性が高くなります。欧州、北米などでは17,000人に1人がアルビニズムと推定されていますが、サハラ砂漠以南のアフリカ(サブサハラ・アフリカ)ではその割合はずっと高く、タンザニアでは1,400人に1人とも言われています。
アルビニズムの人々は、世界各地で誤解や偏見の対象となる場合がありますが、特に事態が深刻なのはサブサハラ・アフリカです。迷信により幽霊だと信じられていたり、白い身体が「幸運」を呼ぶとして呪術に使用する目的で切断されたり、殺害されるなどの事例が数多く報告されています。
このような状況を受け、国連を始め、国際社会でも解決に向けた取り組みが進められていますが、日本においては、アフリカでこうした事態が起きていることはあまり認知されていない状況です。
東京アルビニズム会議
東京アルビニズム会議は、日本財団が国連独立専門家の協力を得て、アフリカのアルビニズム問題を取り上げた日本初の会議です。2018年11月9日に日本財団ビルで開催した本会議では、タンザニア、マラウィ、モザンビーク、ナイジェリア、南アフリカ、ケニア、そして日本国内からもアルビニズム当事者、支援者、専門家を招き、アフリカで起きている世界最悪の人権侵害ともいわれるこの問題について、教育や法、行政や協力体制のあり方など多角的な視点から議論しました。実際に襲撃を受けたタンザニアの当事者本人による証言なども紹介され、多くの報道でも取り上げていただきました。
アフリカで起きているアルビニズムの問題というと、一見、私たちの普段の生活からは遠い話のように感じられるかもしれません。
しかし本会議では、人が人を差別する背景や、教育問題、誇りをもって生きることなど、私たち一人ひとりが直面しうる普遍的なテーマについても活発に議論されました。
本報告書には、この会議に出席し、触発された日本のアルビニズム当事者たちが2019年6月の国際アルビニズム啓発デーにあわせて東京で開催したイベントについての報告も収録しています。
また、2020年1月には、世界のアルビニズム当事者らによるグローバル・アライアンスも発足。2020年は世界的なコロナ禍において、あらためて健康や人権の問題にも注目が集まっています。アルビニズムの人々をめぐり、世界でいま、何が起きているのか。今年の国際アルビニズムデーにむけて、その実態について知り、行動するきっかけとして本報告書をご参照ください。
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