日本初のコミュニティ型子どものホスピスを大阪市に建設

日本財団(東京都港区、会長:笹川陽平)と、一般社団法人こどものホスピスプロジェクト(大阪市中央区、理事長:高場秀樹、以下:CHP)、および株式会社ユニクロ(山口県山口市、代表取締役会長兼社長:柳井正、以下:ユニクロ)はこのたび、難病の子ども向けホスピス「TSURUMI こどもホスピス」を大阪市鶴見区の花博記念公園鶴見緑地内に建設いたします。同施設は民間団体と企業が主体となって設立し、医療・教育・保育の専門家を中心とした地域のボランティアによって運営される国内初のコミュニティ型子どものホスピスです。今年3月中旬に着工し、同年12月の竣工、開業を予定しています。

子ども向けのホスピスは、1982年に英国オックスフォードに設立された「ヘレン&ダグラスハウス」をきっかけに世界的に広がりました。成人向けのホスピスが末期がん患者などの緩和ケアを主眼とした終末期医療のための施設であるのに対し、子ども向けのホスピスは難病児自身の成長を持続的に支援する機能と、家族の看護負担を軽減しリフレッシュしてもらう「レスパイト(小休止)ケア」の機能を併せ持った施設です。「TSURUMI こどもホスピス」では、さらに施設の一部を広く市民に開放することで、重い病気を持つ子どもと一般の子どもが隔たりなくともに遊び、難病児の家族と地域住民が日常的に触れ合う地域交流の拠点としての役割を果たすなど、地域全体で難病の子どもとその家族を支える基盤となることを目指します。

2,000m2の敷地に建設する2階建て延床面積979.11㎡の施設内には、プレイルームやリビング、キッチンのほか宿泊部屋を備え、難病の子どもとその家族が自宅のように寛いで過ごせる空間を提供。難病の子どもたちには、医師や看護師、教師、保育士など多様なボランティアが寄り添い、見守る中、様々な遊びや学びの場を提供することで子どもたちの成長を後押しします。また、看護のため24時間常に緊張を強いられている両親へのケアや、寂しい思いをしているきょうだいへのサポートも行います。施設は企業や個人からの寄付金で運営され、無料で利用することができます。

日本には、脳性まひや小児がんなどの難病を患う15歳以下の子どもが約20万人いるとされています。医療の進歩にともなって多くの命が救われている一方、完治の難しい病気を抱えたまま生活する子どもの数は年々増加傾向にあり、これらの子どもたちが入院治療を終え退院した後の自宅看護における家族の負担の増大が課題となっています。

こうした子どもたちとその家族を支援する目的で日本版ヘレン&ダグラスハウスの設立を目指してきたCHPが、2012年にユニクロが世界中から子どもたちに夢や希望を与えるアイデアを募った「Clothes for Smiles」プロジェクトに応募。国内外から集まった700以上のアイデアの中から実行される8つのプロジェクトのひとつに選ばれたことを受け、かねてCHPの活動を支援してきた日本財団と、ユニクロが共同で建設費と運営費を拠出することに合意しました。昨年、大阪市が公募した鶴見緑地内の土地活用事業にCHPの提案が採択され、このたび建設が決定したものです。

TSURUMI こどもホスピス概要

運営 一般社団法人こどものホスピスプロジェクト
支援 日本財団、株式会社ユニクロ
住所 大阪市鶴見区浜1丁目(707番地 他)
敷地面積 2,000m2
建築面積 640.57m2
延床面積 979.11m2(1F:589.94m2、2F:389.17m2
構造 木造
階数 地上2階
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
施工 大成建設株式会社
着工 2015年3月
竣工 2015年12月(予定)

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