日本財団「18歳意識調査」第5回 テーマ:障害省庁の障害者雇用水増し 批判的な意見、半数を下回る

日本財団は「18歳意識調査」第5回のテーマを「障害」として実施しました。 その結果、障害者の雇用率が法律で定められていることを半数が知っていましたが、民間企業の障害者雇用率が約1.9%にとどまっている現実を知らない人が8割を超え、今年8月に発覚した中央省庁の障害者雇用水増し問題も知っていた人は3割、「あってはならない」と批判的に捉えている人も半数以下にとどまっていました。このほか、障害者への手助けした経験がある人も半数以下で、手助けしなかった理由は「どうしたらよいか分からなかった」がトップを占めています。

18歳意識調査 第5回テーマ「障害」のポイント

  • 手助けした経験がある人は45.8%。手助けをしなかった理由は、「どう手助けしたらよいか分からなかった」(34.6%)が最多
  • 障害者の雇用率が定められていることは50.0%が知っていたが、実雇用率を知っていたのは18.5%
  • 法定雇用率を聞いて、障害者の雇用の機会が充分確保されていると回答した人は10.4%にとどまる。「障害者の割合が7.4%なのに2.2%という割合は少ない」などの意見。
  • 障害者雇用水増しを45.4%が「あってはならない」と回答
18歳意識調査結果の円グラフ:あるが45.8%。ないが54.3%。
障害者を手助けした経験(n=800)
構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない

手助けをした経験

手助けした経験がある人は45.8%にとどまる。

機会はあったが、手助けをしなかった理由

「どう手助けしたらよいか分からなかった」(34.6%)が最多。
「その必要がないと思った」(24.0%)、「なんとなく」(19.5%)が上位に挙がる。

手助けをした理由

「手助けするのは当たり前だと思う」(48.1%)が最多。
「困っているときはお互い様だと思う」(39.6%)、「身近に障害のある人がいて大変さを知っている」(20.8%)

障害者の法定雇用率について

障害者の雇用率が定められていることは、50.0%が認知。
81.5%が、障害者人数や障害者の実雇用率を知らない。

法定雇用率を聞いて、障害者の雇用の機会が充分確保されていると回答したのは10.4%

充分だと回答した人の理由
「障害を持っている人の中で働ける人は限られるから」、「多すぎると障害を持っていない人の雇用が減ってしまう」、「サポートする周りの人が大変になる」など。

充分ではないと回答した理由

障害者の割合が7.4%なのに2.2%という割合は少ない、という内容が目立つ。また、「障害のない人と同様に雇用機会を与えられるべき」「環境を整えて障害者の働く選択肢を増やすべき」などの意見も多く挙がった。他、「自分の身の回りで働いている障害者を見かけない」など、障害者の雇用が少ないと実感として感じている人もいた。

本設問についての記述回答は、第5回18歳意識調査「テーマ:障害について」自由回答集1(PDF / 420KB)をご覧ください。

自治体による障害者雇用率の水増しについて

水増し報告を知っていたのは31.1%。68.9%が知らなかったと回答
45.4%が「あってはならない」と回答。「やむを得ない」は11.6%

「あってはならない」と回答した人の理由

法を定める立場の国や自治体が事実を隠していたことに対する憤りが多い。また、「水増しされたことによって余計障害者の雇用が少なくなる」という意見や、「雇えないなら相応の理由を説明するべき」「水準を超えてなかったとしても、真実を伝えてほしい」など、真実を公表してほしいという意見も挙がった。

「やむを得ない」理由

周りの負担が増えてしまうので仕方ない、というような内容が目立つ。
「法定雇用率を達成できなかった場合の罰則をなくし、達成できた場合に報奨金を支給するような仕組みにすればいいと思う」「水増しするに至った原因を追究した方が良い」などの意見が挙がった。
本設問についての記述回答は、第5回18歳意識調査「テーマ:障害について」自由回答集2(PDF / 673KB)をご覧ください。

18歳意識調査 第5回テーマ「働く」報告書

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