世界15の国と地域46名の障害のあるアーティストがオンラインで共演する
ミュージックビデオ「Stand By Me」をYouTubeで初公開
「True Colors Festival 超ダイバーシティ芸術祭」が再始動
“今不安を抱えている人に寄り添うことの大切さ”を歌う
日本財団は、コロナ禍において不安を感じている人たちに寄り添う気持ちを発信するため、世界15の国と地域46名の障害のあるアーティストによるミュージックビデオ「Stand By Me(スタンド・バイ・ミー)」を6月3日(水)13時よりYouTubeにて公開しました。
新型コロナウイルス禍は、経済や医療現場だけでなく、多くの人に影響を与えました。緊張を強いられる状況が続く中で、見ず知らずの他者に対する警戒や厳しい姿勢が強まっています。そのようなときだからこそ、“不安を抱えている人に寄り添うことの大切さ”を発信すべきであると考え、この度、2020年度計画の中止を発表していた「True Colors Festival 超ダイバーシティ芸術祭」(以下、True Colors Festival)の再開第1弾企画として、ミュージックビデオを公開する運びとなりました。
True Colors Festival は、2020年夏までに開催予定だったコンサートなどのプログラムを中止にしましたが、コンサートに出演予定だったアーティストらが中心となりミュージックビデオを制作、世界15の国と地域46名の障害のあるアーティストが自宅から参加しました。仮想ステージに見立てたスクリーンに、次々にアーティストが登場します。アメリカで最も有名な手話通訳者として知られるアンバー・ギャロウェイが手話通訳を務め、日本からは、“和製スティービー・ワンダー”と称されるピアニスト・シンガーの木下航志、全盲のヴァイオリン奏者の穴澤雄介、義足のダンサー・女優の森田かずよのほか、2020年2月にTrue Colors MUSICALに出演したダンサーの東野寛子、鹿子澤拳らも出演します。
誰もが居心地の良い社会を目指し開催する「True Colors Festival」は、アーティストと観客が同じ場所で想いや体験を共有できる日まで、オンラインのプロジェクトを中心に展開していく予定です。本フェスティバルの総合プロデューサーである樺沢一朗(日本財団 常務理事)は、再始動にあたって、「コロナによって、私たちは今、世界中の人たちと同時に同じような経験を共有しています。こんな時だからこそ、自分とは違う離れた誰かを身近に感じ、世界を繋いでいく音楽、芸術を届けていきたい」とコメントしています。
True Colors Festivalミュージックビデオ「Stand By Me」
「Stand By Me(スタンド・バイ・ミー)」は、時代や国境を超えて親しまれていることに加え、世界中の人が今置かれている状況や想いを代弁する曲です。未来が不確かだからこそ、お互いができることで支え合う大切さを歌ったこの曲に、参加アーティストたちが世界各国からさまざまな思いを込めてパフォーマンスをする様子がミュージックビデオには収められています。
使用曲:Ben E King 「Stand By Me」
クリエイティブプロデューサー:シドニー・タン(シンガポール)
参加アーティスト:15の国と地域46名
出演者プロフィール
木下航志 Kohshi Kishita/ボーカル、ピアノ
未熟児網膜症の為、生後一カ月で失明し、2歳からピアノを始め、8歳からストリートライブをスタート。10歳の時NHKのドキュメンタリーTV番組にて紹介され、13歳で初のニューヨークライブを実現。
2004年アテネパラリンピックのNHK番組テーマソング、2005年愛・地球博EXPOのジャパンウィーク参加、2009年ニューヨーク国連本部にてパフォーマンス実施、2011年キヨサク(MONGOL800)プロデュースによる2ndシングル「Pray」発表、2017年~2019年パラ駅伝にて国歌斉唱、2017年映画「クロス」の主題歌及び音楽担当、2018年パラフェス参加、映画「熱狂宣言」主題歌及び音楽担当。その歌唱力と生き様から「和製スピーディー・ワンダー」と呼ばれている。
穴澤雄介 Yusuke Anazawa/ヴァイオリン奏者、ヴィオラ奏者、作曲家、講演家
心臓と目に障害を持って生まれ、高校時代にほぼ視力を失う。筑波大学附属盲学校高等部本科音楽科、同専攻科音楽科を卒業。24歳のときにファーストアルバム、『Sincerely Yours』をリリース。その後も新作の発表を続け、現在までに17枚のCDをリリース。2010年第7回ゴールドコンサートグランプリ(※)を受賞。現在、年間150本以上のライブ演奏、30回以上の講演を全国各地で展開。
- ※ 障害をもつアーティストの音楽コンテスト。
森田かずよ Kazuyo Morita/ダンス
先天性の障害(二分脊椎症・先天性奇形・側湾症)を持って生まれる。18歳より表現の世界へ入り、ある時は義足を身につけ、ある時は車椅子に乗りながら、舞台に立つ。自分の身体と向き合い、表現の可能性を日々楽しく考えながら、義足の女優&ダンサーとして活動している。第11回北九州&アジア全国洋舞コンクールバリアフリー部門チャレンジャー賞(1位)受賞。「Performance For All People.CONVEY」主宰。ダンススタジオP’spot14を含めたNPOピースポット・ワンフォー理事長。
ー光牡丹 ボタンー BOTAN/ダンス
2018年日本財団DIVERSITY IN THE ARTSが主催したDAZZLEと共演する発掘ワークショップ+オーディションで選ばれた障害のある7名のダンサーによるチーム。右手に機能障害があるリーダーの東野寛子を筆頭に、聴覚障害のある梶本瑞希、鹿子澤拳、竹田凪沙、根間麗華、自閉症をもつ踊るラッキーボーイ想真、軟骨無形成症をもつ西村大樹が在籍。
メンバーの、東野寛子(写真左)、鹿子澤拳(写真右)の2人は、2020年2月に行われたTrue Colors MUSICALに日本人アーティストとして特別出演した。
アンバー・ギャロウェイ Amber Galloway/手話通訳
アメリカで最も有名な手話通訳者として知られ、レディー・ガガ、ローリングストーンズのコンサートでもステージに立った経験を持つ。音楽通訳を専門としている。
ほか15の国と地域より総勢46名のアーティストが参加
障害者をとりまく状況
世界の総人口の約15%を占め、およそ10億人といわれる障害者は今、さまざまな問題と直面しながら生活しています。多くの障害者は介助者を必要とするため人との接触を減らすにも限界があり、感染リスクが相対的に高い状況にあります。また、障害種別によっては感染した場合に重症化する危険性があることが知られています。さらには、医療現場が逼迫したときに治療の優先順位を下げられてしまう点、ウイルスや感染症対策に関する情報が十分にアクセス可能な形で発信されていない点も懸念されているほか、世界の多くの障害者は経済的基盤も脆弱であることから、長期的な影響も危惧されている状況です。こうした状況を受け、5月6日に国連のグテーレス事務総長が障害者を新型コロナウイルス感染症対策の中心に据え、障害者向けのウイルス対策情報やサービスの強化を図るよう各国に求めました。
「True Colors Festival超ダイバーシティ芸術祭」再始動について
True Colors Festival(トゥルーカラーズ フェスティバル)は、パフォーミングアーツを通じて、障害・性・世代・言語・国籍など、個性豊かな人たちと一緒に楽しむ芸術祭です。誰もが居心地の良い社会の実現につなげる試みです。世界的な危機により、私たちは身近な人たちと引き離される経験をしました。しかし、だからこそ人とつながること、共に楽しむことの大切さを再認識しました。新たな環境で、アーティストと観客が、どうやって体験を共有し、共に楽しむことができるのか。みなさんと一緒に考えながら、プロジェクトを再始動させます。今後のプログラム最新情報は、公式サイトやSNSをご覧ください。
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