「長崎海洋アカデミー」が開講洋上風力発電の未来を担うアジア初の海洋開発人材育成機関
日本財団、特定非営利活動法人長崎海洋産業クラスター形成推進協議会、長崎県、長崎大学、長崎総合科学大学が協働で創設した、洋上風力発電等の海洋エネルギー開発に関する人材育成機関「長崎海洋アカデミー」は、2020年10月1日より開講します。
アジア初の海洋エネルギーに関する人材育成機関として、洋上風力発電等の海洋エネルギー開発に関する教育カリキュラムを提供し、5年間で1,600名の育成を目指します。
高まる洋上風力発電の需要
再生可能エネルギーの導入が世界中で進む中、陸上に比べ大きな風力を安定的に得られ、設置場所の確保が容易な海上での風力発電が大きな注目を集めています。日本国内でも各地で洋上風力の利用促進に向けた環境整備や計画が動き始めており、風力発電協会の提言によると、2030年には2018年の約150倍もの10,000MWの導入目標が掲げられています。これは原子力発電所10基分の発電容量に相当し、一般世帯でいうと約60万世帯分の電力をまかないます。(設備利用料30%、一般世帯の年間消費量4,400kWhで計算)
人材不足を解消するために「長崎海洋アカデミー」を設置
わが国では、この成長分野を推進していく上での人材不足が大きな課題となっています。日本財団の試算によると、2030年に洋上風力発電の分野で8,600名以上の人材が必要であり、2020年2月時点での海洋開発技術者数が2,865名との大きな開きがあります。そこで、洋上風力発電等の海洋エネルギーに関する人材育成機関として「長崎海洋アカデミー」を設置しました。同アカデミーでは、日本財団オーシャンイノベーションプロジェクトと連携し、日本初の浮体式洋上風力発電「はえんかぜ」を活用しながら、VR(仮想現実)等の最新技術を融合させたプログラムを提供し、同分野の人材育成を推進します。
「長崎海洋アカデミー」施設情報
- 所在地:長崎大学 研究開発推進機構棟2階(長崎県長崎市文教町1-14)
- 対象:社会人
- 将来的には大学生向けカリキュラムの提供も予定しています
- カリキュラム:
洋上風力発電(総論コース、事業開発コース)、認証・保険・ファイナンスコース、基礎構造の選定と洋上施工コースなど、洋上風力発電に関する多様なカリキュラムを提供予定 - 設備:講義スペース、実習スペース、コミュニケーションスペース等
その他詳細は長崎海洋アカデミー公式ウェブサイト(外部リンク)をご覧ください
参考
世界の洋上風力発電の普及状況
洋上風力発電は世界的に急増している再生可能エネルギーの一つであり、世界全体の発電容量は2030年には2018年の約10倍のおよそ200GWになることが見込まれています。特に欧州で導入が進んでおり、先進的な国の一つであるデンマークでは、2019年の発電量の18%が洋上風力であり、陸上の風力発電と合わせるとおよそ47%の電力を風力発電で供給しています。
日本財団オーシャンイノベーションプロジェクトとは
海洋再生可能エネルギーや海洋石油・天然ガスなどの海洋開発分野が大きな成長が見込まれる中、このような成長を取り込んでいく上で原動力となる技術者を育成するプロジェクト。
近年は、海洋開発分野を進展させるためには人材育成に加え、技術開発のイノベーションを両輪として進めている。技術開発では、海洋開発の現場を持つスコットランド、米国の団体と連携した技術開発助成プログラムを展開している。
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