第2回 みらいの福祉施設建築プロジェクト 表彰式ユニークなアイディアとデザインの力で福祉施設を変える!

日本財団は、デザインやクリエイティブの力で福祉施設を地域に開かれた魅力ある場所とするべく実施した、「第2回日本財団みらいの福祉施設建築プロジェクト」について、計292事業の中から助成が決定した3事業への表彰式を、2023年3月14日(火)に実施しました。
採択された3事業は、2024年に世界自然遺産登録30周年を迎える屋久島に建てられる、自然と共生する高齢者のためのウェルネスセンターや、深刻化する人口減少・単身化を解決する社会モデルの構築をめざす全世代対応型の福祉施設の福祉施設など、いずれも利用者の生活の質や職員の士気向上などが期待できる施設として選ばれました。
なお、学生を対象に実施したアイデアコンペ「第2回 日本財団福祉のデザイン学生コンペ」にて、これからの福祉を描く優れたアイデアやデザインを提示した5組への表彰式も併せて行いました。

みらいの福祉施設建築プロジェクトの背景

本プロジェクトは、地域社会に貢献し、地域社会から愛され、地域福祉の拠点となる社会福祉施設をめざして、事業実施団体と設計者の協働による建築デザイン提案を含む建築事業を助成するものです。
近年、少子高齢化や多様性の尊重、コミュニティの希薄化といった社会背景の変化に伴い、社会福祉施設は多機能化や地域貢献への動きが活発となり、地域福祉を担う拠点としての役割が求められています。福祉施設の建築事業への助成や補助金は、行政や民間助成財団でも行われていますが、建築デザイン提案を含む助成金の募集は他に例のないものであり、建築・福祉両分野から審査委員を構成し申請事業の評価を行いました。

写真:受賞者、審査員との集合写真
集合写真

関係者コメント(一部)

笹川 陽平(日本財団 会長)

「日本財団はずっと、福祉施設の建設や福祉車両の普及を支援してきました。これからは、より未来志向の福祉施設を増やしていくべきだと考えています。コミュニティが希薄化する中で、福祉施設も地域から孤立してしまっているのではないでしょうか。本プロジェクトを通して、地域に開かれた福祉施設をモデルケースとして建てることで、こうした世の中の流れを変えていけることを願っています。」

坂 茂氏(日本財団みらいの福祉施設建築プロジェクト 審査委員長)

「どのデザインも採用したいと思うくらい、素晴らしいものでした。アドバイスとしては、建築で新しい福祉の形、人の暮らし方を提案してもらいたい。そのためにも、地元の建築家に加えて、業界で活躍している・新しいことにチャレンジしている建築家と組むことで、より新しい視点からの提案ができるのではないでしょうか。今後、建築で新しい未来をつくることを意識したデザインが出てくることを期待しています。」

「第2回 日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト」助成決定3団体について

1. 事業実施団体(整備場所):特定非営利活動法人 抱樸 / 福岡県北九州市

設計者:株式会社手塚建築研究所
設計デザイン案タイトル:希望のまちプロジェクト
採択ポイント:暴力団事務所があり、怖いと言われていた場所を「希望のまち」として再創造するもの。制度や属性を超えて人が出会う、全世代のごちゃまぜの空間を提供し、家族の本質である何気ない日常の共有、赤の他人が看取や葬儀まで担う場の提供を通じ、家族機能の社会化を図る点が評価されました。
助成金額:500,000,000円

2. 事業実施団体(整備場所):医療法人 観音会 / 鹿児島県熊毛郡屋久島町

設計者:屋久島ウェルネスセンターPJ-設計共同体
設計デザイン案タイトル:屋久島 おじゃんせウェルネスセンター
採択ポイント:福祉・介護・医療の資源が乏しい屋久島南部において、高齢者や障害者が健康で豊かな暮らしを続けられるための健康拠点を構築するもの。高齢者の健康寿命延伸のためのリハビリテーション施設、障害者の個々の才能を活かしたカフェや食堂、物販からなるよかたん交流館、屋久島南部唯一となる歯科診療所、島内外・世代間交流を促進するコーディネーションセンターを一体で提供する点が評価されました。
助成金額:500,000,000円

3. 事業実施団体(整備場所):社会福祉法人 大分県福祉会 / 大分県大分市

設計者:矢橋徹建築設計事務所
設計デザイン案タイトル:制度のはざまにいる子どものケアとご近所さんの顔がみえる拠点づくり えんえん
採択ポイント:保育園と公園との間に、一時預かり保育や病後児・医療的ケアの必要な子どもの保育が可能な施設を新設するもの。保育室の他に、子育て広場、カフェ、ミニライブラリー、多目的スペース等を備え、地域に開かれた複合施設とすることで、子どもたちだけでなく地域における人々の繋がりを創出し、社会的孤立を減らすという計画である点が評価されました。
助成金額:300,570,000円

「第2回 日本財団福祉のデザイン学生コンペ」受賞5チーム一覧

受賞者名 作品タイトル 副賞
最優秀賞 竹山 周作(法政大学 大学院) ヤングケアラーの住まう学び舎
-幼き介護者に対する
建築的支援の可能性-
50万円
優秀賞 西 那巳子(早稲田大学 大学院) みんなの参道 × みまもる福祉 25万円
入賞 齋藤 惇(北海道大学 大学院)
小澤 大祐(北海道大学 大学院)
馬蹄の音が響くまち
-馬が運ぶ福祉のかたち-
5万円
入賞 青木 優花(愛知工業大学) 気づいたら、ここに居た 5万円
入賞 石 珂鳴(慶應義塾大学 大学院)
藤間 藍(慶應義塾大学 大学院)
アーケードがつなぐ大家族
-分散コアで再生する福祉の街へ-
5万円

賞金総額 90万円

以下の特設サイトでは、各審査員の総評や受賞者のデザイン案等もご覧いただけます。

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