日中医学奨学金制度 人民大会堂で35周年式典 日中両国から1000人出席

中国の医療技術向上や日中両国の友好促進を目的に1986年に始まった日中笹川医学奨学金制度の35周年記念式典が7月28日、中国国家衛生健康委員会と日本財団の共催で、北京の人民大会堂で開かれました。本来、昨年開催の予定でしたが、新型コロナ禍の影響で1年遅れの開催となりました。

式典には日本への留学生OBらでつくる「笹川医学奨学金進修生同学会」(約2400人:本部・北京)メンバーのほか、日本から留学生の指導に当たった教官や共同研究者ら約140人が出席、コロナ禍の後、人民大会堂で初めてとなる1000人規模の大型式典となりました。

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人民大会堂で行われた式典での集合写真

冒頭、衛生健康委員会の曹雪涛副主任(日本の副大臣に相当)が「事業は時代に合わせ着実に成長してきた。民間会交流は中日友好の要であり、今後も全力でサポートしたい」と挨拶。

次いで来賓として出席した森喜朗元首相は「自分は応援団長」と前置きした上、「事業は大輪となって大きな花を咲かせた。今後の一層の発展に期待する」と述べました。

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森喜朗 元首相

また日本財団の笹川陽平会長は創業以来の流れを振り返った上で、「中国医療の発展で事業は今や共同研究の時代に入った。民間交流のモデルとして一層、発展させたい」と述べました。

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日本財団会長 笹川陽平

医学奨学金制度は中国の医師や看護師の育成を目的に年間100人の留学生受け入れで始まり、近年は日本での学位取得や両国関係者による共同研究を中心にした新たなプロジェクトに発展。学長や病院長など多くの人材を輩出し、中国医学界の中核組織に成長しています。

式典では、既に博士号持つ中国の研究者がさらに日本での研究を行うポストドクターコースなどを盛り込んだ新たな事業協定書に日本財団、中国国家衛生健康委員会、日中医学協会の3者が調印。新事業は24年度から5年間をめどに年間30人規模で進められる予定で、医学交流の新たな発展が期待されています。

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3者で行われた調印式(左から日中医学協会 小川秀興会長、中国国家衛生健康委員会 曹雪涛副主任、日本財団会長 笹川陽平)

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