日本財団職員による現地レポート:令和8年熊本地震支援(10月8日)

令和8年熊本地震の発災後、多くのボランティアが被災地を訪れ、復旧・復興に向けた活動を続けています。その中には、日本人だけでなく、地域で暮らす外国籍住民の姿もあります。

「被災した地域の力になりたい」。そうした思いがあっても、言葉や制度の壁によって、外国籍住民が災害ボランティアとして活動するまでには、さまざまなハードルがあります。今回は、外国籍住民と被災地をつなぎ、安心して支援活動に参加できるようサポートする取り組みをご紹介します。

「被災地でボランティアをしたい」外国籍住民から届いた声

熊本県の北部で、外国人相談窓口や日本語カフェなどを通じ、平時から地域に暮らす外国籍住民を支援している一般社団法人GOJOplus。発災後、県内でも大きな被害を免れた地域に暮らす外国籍住民から「被災地でボランティアをしたい」という声が複数寄せられました。

一方で、災害ボランティアの申し込みや活動に際しての活動前の説明は、主に日本語で行われます。そのため、外国籍住民にとっては、ボランティア保険の加入方法や活動ルールなどを十分に理解することが難しく、参加したいという思いがあっても実際の活動までつながらないことがありました。また、ボランティアを受け入れる側にも、意思疎通や安全管理などへの不安があります。

こうした課題に対し、GOJOplusでは、ボランティアを希望する外国籍住民と受入団体との橋渡しを行っています。参加希望者と受入団体との調整や、やさしい日本語を中心とした多言語での事前オリエンテーション、ボランティア保険への加入支援、活動当日のサポートなどを行い、外国籍住民が安心して活動に参加できる環境を整えています。

こうしたサポートを通じて、インドネシア、ベトナム、中国、フィリピン、ミャンマーなど、さまざまな国にルーツを持つ外国籍住民が、被災家屋の片付けや、炊き出し、支援物資の配布などの復旧活動に参加しています。

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物資配布を手伝う様子(9月20日、熊本県八代郡氷川町、提供:一般社団法人GOJOplus)

支援する側として地域の力に

現場での印象的なエピソードを伺いました。

ある日、普段は製造業で働くインドネシア国籍の3名が、災害ボランティアに参加し、被災した家屋から冷蔵庫や食器棚などの大きな家財を運び出していた時のことです。作業を見守っていた住人の方は、3名に何度も「ありがとうございます」と声をかけました。すると、参加者の一人が笑顔で「大丈夫、大丈夫。私も助けられて、うれしいです」と日本語で答え、住人は笑顔を見せたそうです。

活動に参加した外国籍住民からは「自分も人の役に立つことができて、嬉しかった」「また参加したい」といった声が寄せられています。

災害時、外国籍住民は情報や支援を「受ける側」として捉えられることもあります。しかし今回の活動では、地域でともに暮らす一員として、自ら「支える側」となって復旧・復興に参加しています。

GOJOplusでは、今後も外国籍住民の「同じ地域で暮らす一員として復旧・復興に関わりたい」という思いを大切にしながら、安心して災害ボランティアに参加できる環境づくりを継続していくとともに、災害時に外国籍住民が継続的に復旧・復興活動に参加できる仕組みを、関係者とともにつくっていきたいと考えているそうです。

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災害ボランティアに参加したメンバー(10月4日、熊本県宇城市、提供:一般社団法人GOJOplus)

被災地への継続的な支援のために

災害から時間が経過しても、被災された方々の生活再建や地域の復旧・復興に向けた活動は続いています。また、今回ご紹介した取り組みのように、支援したいという思いを持つ人と、支援を必要とする被災地をつなぐための活動も欠かせません。

日本財団では、皆さまからお預かりしたご寄付を活用し、被災地の状況やニーズに応じて、現地で活動するNPO・ボランティア団体等への支援を行っています。

一人でも多くの方が安心した生活を取り戻し、地域の復旧・復興を前に進めていくために、引き続き皆さまの温かいご支援を心よりお願い申し上げます。

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メッセージボードを書くベトナム人参加者(10月4日、熊本県宇城市、提供:一般社団法人GOJOplus)