日本財団職員による現地レポート:令和8年熊本地震支援(10月23日 V-CATS JAPAN)

令和8年熊本地震の発災から2カ月余りが経過した今も、被災地では避難生活を余儀なくされている方々がいます。そうした中、ペットを飼育する被災者の方々は、自分自身の生活だけでなく、大切な家族であるペットの安全や健康にも不安な思いを抱えています。

今回は、皆さまからお寄せいただいたご寄付を活用した日本財団の助成を通じて、被災した猫を一時的に保護し、飼い主とペット双方の安心につなげる取り組みをご紹介します。

大切な家族と一緒に避難できない現実

被災地では、ペットを連れて避難できる避難所の開設が進められています。しかし、飼い主とペットが同じ室内で生活できる「同伴避難」が可能な場所は限られており、ペットを屋外のケージなどで飼育しなければならない場合も多数あります。

慣れない環境や周囲の音、人の出入りなどは、ペットにとっても大きなストレスとなり、環境の変化によって体調を崩してしまうペットもいます。

また、暑さの厳しい時期には、屋外でペットの世話をする飼い主自身が熱中症を発症した事例も報告されています。さらに、車中泊による避難生活でエコノミークラス症候群が疑われる症状が現れ、一時的にペットの世話を続けることが難しくなった場合もあります。

大切な家族だからこそ、離れたくない。しかし、今の環境では十分に世話をすることができない。ペットを飼育する被災者の多くはこうした葛藤を抱えています。

猫にも、飼い主にも安心できる場所を

こうした課題に向き合っているのが、被災した猫の一時預かりや迷い猫の捜索活動などに取り組む動物支援団体「V-CATS JAPAN」です。

同団体では、皆さまからお預かりしたご寄付を元に日本財団からの助成を受け、熊本県獣医師会との連携のもと、宇城市三角町に猫の一時預かりシェルターを設置・運営する取り組みを進めています。

このシェルターでは、被災によって飼い主と一緒に避難生活を送ることが難しくなった猫や、避難生活のストレスなどで体調を崩した猫を一時的に預かり、安全な環境で保護しています。

また、単に猫を預かるだけではなく、健康状態の確認や衛生管理、感染症対策などを行い、一頭一頭が安心して過ごせる環境を整えています。

さらに、専用車両を活用した猫の送迎や、飼い主が定期的に面会できる仕組みを通じて、離れて暮らす間も飼い主とペットのつながりも大切にしています。

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避難生活のストレスなどで体調を崩した猫を一時的に預かり、安全な環境で保護しています(写真提供:V-CATS JAPAN)

こうした取り組みを通じて、避難所から仮設住宅などへ移り、再び大切な家族と一緒に暮らせる日までを支えることを目指しています。

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飼い主と一時預かりした猫が面会できるバス、通称「猫バス」(写真提供:V-CATS JAPAN)

ペットを守ることは、被災者の暮らしを守ること

ペットは、飼い主にとって単なる飼育動物ではなく、日々の生活を共にする大切な家族の一員です。

災害によって住まいや生活環境が大きく変わる中、ペットの健康や安全を心配し続けることは、飼い主にとっても大きな精神的負担となります。

一方で、安心してペットを預けられる場所があれば、飼い主は自身の健康や生活再建に向き合う時間を確保できます。そして、再び一緒に暮らせるという希望は、長引く避難生活を乗り越える力にもなります。ペットの命と健康を守ることは、飼い主である被災者の心と暮らしを支えることにもつながっています。

一人ひとりの困難に寄り添う支援を

被災された方々が抱える困難は一人ひとり異なります。だからこそ、行政による支援だけでは十分に対応しきれない課題にも目を向け、現地で活動する団体とともに、きめ細かな支援を届け続けることが重要です。

日本財団では、皆さまからお寄せいただいたご寄付を活用し、こうした被災地の多様なニーズに寄り添う支援活動を後押ししています。

皆さまからお寄せいただいたご寄付が、大切な家族との再会を願う被災者の方々を支え、安心して生活再建へと歩みを進める力となっています。

被災された方々が一日でも早く安心した生活を取り戻せるよう、引き続き皆さまの温かいご支援を心よりお願い申し上げます。