一流ホテルで「テーブルマナー」を学ぶ日本財団夢の奨学金2017年度第3回交流会

写真:テーブルマナーを学ぶ奨学生たち

「日本財団夢の奨学金」は、奨学生が全国から集う交流会を定期的に開いています。その2017年度第3回が12月2、3日、名古屋市内で開かれ、やむを得ず来られなかった人を除く16人が出席しました。今回はテーブルマナーを学ぶ講習会もあり、いつもと違った雰囲気で親睦を深めました。

名古屋市は、全国に散らばる奨学生にとって比較的集まりやすいエリアにあり、また、夢の奨学金が中京地区限定のパイロット事業だった1年目に拠点としていた場所でもあります。1期生にとっては特に馴染みの深い都市での開催となりました。

初日の前半には、ヒルトン名古屋を会場に、テーブルマナー講習を行いました。普段は奨学生の中で発足した企画チームが交流会で行う内容のアイディアを出していますが、この講習は、事務局からの提案です。

事務局としては、大阪で社会的養護の子のアフターケア事業を行っているある団体が同種の講習を実施したところ、「社会に出てから大変役立った」などの成果があったと聞いていました。そこで、今回は敢えて事務局から提案して、夢の奨学金の奨学生にもテーブルマナーを学ぶ機会を用意しました。

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TPOを考えた服装で集まった奨学生たち

奨学生は、講習の後に予定されている近況報告会の会場・愛知県青年会館にいったん集合し、徒歩で数分のヒルトン名古屋に向かいました。「ジーンズやサンダルなどはNG。TPOを考えた服装を」と事前に事務局が伝えていたため、全員がこれまでの交流会の参加時より、ドレスアップした姿です。

会場は、フランス料理式のテーブルセッティングが円卓に整えられ、中央にモニターが用意されていました。奨学生は8人掛けのテーブルに分かれて着席。冒頭、料理を担当したシェフが、「テーブルマナーと言いましても、やはりお食事ですのでまずは楽しんで。同席される方に不快な気持ちにさせなければいいんじゃないかなと思います。気楽に楽しんでいただけたら」と話しました。とはいえ、奨学生は依然として緊張した面持ちです。

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講習会とあって、宴会室にはモニターも

シェフは、各自の手元にあるメニュー表を基に料理を紹介しました。メニュー表には前菜、スープ、主菜、デザートの順に料理の名前が載っていました。説明の途中に、実際の前菜が運ばれてきましたが、奨学生は説明を聞くことに集中し、だれ一人食事に手を付けません。料理を運ぶ宴会部のスタッフが、促して、ようやく食事がスタートしました。

ここからは、食事をとりながら、宴会部スタッフによるテーブルマナーの説明を聞きました。正面のモニターを使ってのプレゼンテーションです。

写真:テーブルマナーについてのスライド
テーブルマナーの基本事項を細かに学習

「皆さんも、社会人になったらこういったホテルとか高級レストランで食事をする機会が増えてくると思います。緊張で食べ物がのどを通らないとか心配があるかもしれませんが、まずテーブルマナーって何だと思いますか」スタッフの方は「テーブルマナーとは」から語り始めました。

スタッフの方の説明には、クイズなども含まれており、カトラリーやナフキンの使い方といった基本的な事項の説明が終わるころには、会場は和やかな雰囲気になりました。「実際に召し上がりながら、疑問に思ったことは何でも聞いてください」という言葉に促されて、奨学生たちは度々、食事を運んでくださるスタッフの方を呼び止めて、質問を投げかけていました。

「サーモンが切りにくい。どうやって切ったらいいですか」、「スープを食べ終わった後のスプーンはどこに置いたらいいですか」、「立食パーティーの時はどういう順番で食事をいただけばいいですか」。質問は多岐にわたっていました。

奨学生の出身地は様々で、地域によっては、同種の講習を学校の授業で、あるいは児童養護施設で実施しているそうです。そこで、テーブルマナーを学んだ経験があるという奨学生もいましたが、全く初めてだったという奨学生も少なくありませんでした。

そうした奨学生は、「こんなところに来たのは初めて。食べながらわからないことがあった時に、その都度質問ができてよかった」、「大学の友人には裕福な家庭の子が多い。食事のマナーを自分が知らないことから、大事な場を台無しにしたらいけないという気後れがあった。学ぶことができて本当に助かった」などと話していました。

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スタッフの方は「日ごろからマナーを心掛けて」とアドバイス

今年度の交流会はこれで終わりです。奨学生が次に集うのは3月。東京・赤坂の日本財団ビルで、1年の活動報告会を行う予定です。

日本財団 公益事業部 国内事業開発チーム 芳川龍郎

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