【現地レポート】宮城県丸森町、続く被害と支援の輪
年の瀬迫る12月26日。台風19号により甚大な被害を受けた宮城県丸森町を訪問しました。ちょうどその日、6ヶ所すべての仮設住宅で入居が開始したとのことでした。一方で、被災した自宅に住み続ける在宅避難者は、丸森町の全世帯の約5分の1に上る、1,100~1,200世帯と推定されるとの報告もあるなど、報道は少なくなっていますが、台風災害の影響は続いています。
まず、丸森町災害ボランティアセンターを訪ね、「丸森町災害情報共有会議」に参加しました。丸森町では、様々な専門知識やネットワークを持つNPOなどの団体が活動しています。情報共有会議には、行政機関や社会福祉協議会を含め20近い団体が出席し、年末年始の活動状況や年明け以降の支援方針について情報共有が行われました。
Aという団体のスタッフが「米を小分けにしたけれど、どのように被災した方に渡したらよいですか」と投げかけると、Bという団体のスタッフが「仮設住宅を訪問する予定だから一緒にどうですか」とつながる。現場ならではの、機動的・実践的な話し合いが繰り広げられていました。 ボランティアや災害ボランティアセンターの規模が縮小する中で、在宅避難者への支援や仮設住宅でのコミュニティづくりなど、息の長い支援活動が課題となりつつあることが分かりました。

翌27日、台風19号の発災翌日から支援を開始した一般社団法人OPEN JAPANの肥田さんに、被災現場を案内していただきました。「年内に生活圏内からの土砂撤去が完了する見込みという報道がありましたが、到底信じられません。まだまだ支援の手が届いていないところがたくさんあります。」と話す肥田さん。たしかに、災害ボランティアセンターから車で10分ほどの場所でも、積み上げられた土の山が視界に入ります。


被災されたお宅を訪ねると、住民の佐藤さんが現状を話してくださいました。床上浸水に加えて、屋根に被害があり、ブルーシートでの応急処置をしてもらい、とても助かったと涙ながらに語る佐藤さん。話しているうちにその屋根の応急処置をしたのは、当財団の災害対策チームの黒澤だったことも分かり、支援の輪を感じる瞬間でした。


ボランティアセンターに戻り、日本財団災害復旧サポートセンターの開所式を行いました。当センターは、住民の方などに復旧に必要な資機材や車両などの貸し出しを行う拠点で、OPEN JAPANの皆さんのご協力をいただき運営することとなります。


日本財団は、被災地に暮らす方々、被災地で活動する方々との情報共有を重ねながら、幅広い支援活動をサポートしてまいります。
日本財団 総務部 総務チーム 嶋田康平