2021年度活動報告会 卒業する奨学生が対面とオンラインで発表

「夢の奨学金」を活用して学業を終え、新たな一歩を踏み出す奨学生たちが、これまでの学生生活について発表する活動報告会が3月18日(金)、日本財団(東京・赤坂)にて開催されました。前年度はオンラインで行われましたが、今年度は32人の奨学生と8人のソーシャルワーカー、日本財団スタッフが会場に集い、オンラインでの参加者も併せたハイブリット形式で開催されました。

3月に卒業する13人の奨学生が発表

「夢の奨学金」では、奨学生同士の交流会等の行事が活発に開催されています。なかでも、年度末に1回開催される活動報告会はもっとも多くの関係者が集まる行事です。今回は卒業する13人の奨学生がこれまでの学生生活を振り返り、学んだこと、考えたこと、これからの進路や後輩へのメッセージ等を発表しました。現在受給中の奨学生、奨学生の伴走してきたソーシャルワーカーらから、ひとり一人にお祝いの言葉と今後の活躍を願う言葉が寄せられました。

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吉倉常務より激励の言葉が贈られた

「物事は自分の考え方や捉え方次第で変わるものです。たとえ一般的に見えれば嫌なこと、辛いことがあっても、その出来事で人を見る目が養われたり、その経験をバネにできたりすれば、良い方向に進めるきっかけになります。短所も捉え方によって長所に変わる。今日の奨学生の発表からさまざまなことを吸収して、自分だったらどうするか考え、よい形で解釈しながら未来に進むヒントにしてください」(吉倉常務)
続いて新しく仲間に加わる第7期生が紹介されました。
前日の3月17日に認定証を授与されたばかりの5人が、先輩たちに自己紹介し、これからの決意を語ってくれました。

その後、奨学生のサポートを担当するソーシャルワーカーの紹介がありました。
「人はさまざまな人の支えがあって活躍できると思います。もし、自分が認められていなくて苦しいと感じても、さまざまな人と出会い話をしていくと、必ず認めてくれる人はいると思います。ですから、いろいろな人とつながって相談をしてほしいと思います。私自身もさまざまな人に支えられていますし、奨学生のみなさんとお話をしていると、僕の方が支えられていると感じることも多くあります。今日はみなさんの発表を楽しみにしています」(ソーシャルワーカー 荒井和樹さん)との言葉をいただきました。

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奨学生をサポートするソーシャルワーカーのみなさん

環境教育、IT開発、素粒子研究など多彩なテーマ

いよいよ奨学生の発表が始まりました。トップバッターは静岡の大学の社会環境学部で環境や防災を学んだ3期生です。「環境教育のサークルで小学生を対象に環境講座を開いたり、ビオトープ整備をしたり、という活動をがんばりました」との自己紹介の後、講演で行っている“アイスブレイク”を会場で披露してくれました。バースディラインという、言葉を発さずに誕生日順に並ぶ、というお題に参加者が動き、見事成功。会場の雰囲気も大いに和み、まさにトップバッターにふさわしい発表でした。

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トップバッターを務めた3期生

システムエンジニアになりたいという夢を叶えるために愛知県のIT系専門学校に通った3期生。携帯のアプリの開発に取り組み、応募したコンテストで入賞しました。「おかげさまで4月からシステムエンジニアとして働くことになりました。これからも自分なりに新しいことを吸収しながらがんばりたいと思います」と明るい声で発表してしました。

高校生の時にカウンセリングに興味を持った3期生は、京都の大学の健康科学部心理学科で学びました。カウンセラーがクライアントを訪問する「直接訪問型のカウンセリング」という方式の実現を目指しています。「夢の奨学金の奨学生は、同じような経験を抱えながら、高い志を持った仲間です。これからもこのつながりを大切にしていこう」と後輩へ伝えました。

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後輩へメッセージを送る3期生

保健体育の教員を目指して山口県の大学に進学した3期生は、大学ではスポーツを専攻し運動学や心理学を学びました。趣味も運動でバレーボールのクラブチームに入って活躍しています。母校の高校での教育実習も実現したとのこと。「失敗をおそれずにいろんなことに挑戦してほしい。趣味などの生きがいも大事にしてほしい」と後輩を励ましました。

県立の保健大学の健康科学部社会福祉学科を卒業した3期生は、罪を犯した人の雇用についての調査に関心を持ち、卒業論文のテーマにしました。地元の雇用主にインタビューをして、殺人罪と覚せい剤取締法の雇用端のリスク、支援について論文の中で提案しました。奨学生として学んだ経験から「周りが自分を大切にしてくれているのと同じように、周りの人を大切にすることが大事だとわかった」と思いを語りました。

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奨学生として学んだ経験を話す3期生

奨学生の発表は昼食を挟んで午後からも行われました。看護師、パティシエ、研究職、児童福祉施設への就職など、それぞれの道に進む奨学生に対して、担当のソーシャルワーカーからも一言ずつお祝いと励ましの言葉、そして「これからもつながっていきましょう。応援しています」という言葉が贈られました。

交流タイム「ルーレットトーク」ので盛り上がる

卒業する奨学生の発表が終わり、後半は参加者がランダムなグループに分かれての交流タイムが設けられました。交流タイムは奨学生が自分たちで企画して進行します。インターネットの「ルーレットトーク」を使ってテーマを決め、そのテーマでグループトークをする、というものです。「楽しかったこと」「春休みの思い出」「びっくりしたこと」など、ルーレットを回しながら、一人ずつトークをして、それについてグループ内で盛り上がりました。

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交流タイム「ルーレットトーク」の様子

後半はグループをシャッフル。グループごとに卒業生を囲んで、活動報告の発表では言い足りなかったことを話したり、後輩から質問が出たりしました。「実を言うと……」という本音トークも聞けて、後輩たちにとっては今後に生かせる有意義な対話の場となりました。

オンラインで参加したグループも、ソーシャルワーカーがモデレーターとなり、自己紹介から始まって、先ほどの発表についてのトーク、これからの進路などについてリモートトークが行われました。最後に、交流タイムの企画・構成・進行を担当した奨学生に拍手が送られました。

記念品授与、ソーシャルワーカーからの言葉

活動報告会の終盤には、卒業する奨学生に日本財団から記念品が贈られました。記念品の授与を行う日本財団前田晃専務からも奨学生へのメッセージがありました。

「卒業生は一つの区切りを迎えますが、今後もこのつながりを大切にしてください。付き合い方は人それぞれでかまいません。何か困ったときに相談できる人がいることは大事です。ソーシャルワーカーや日本財団スタッフはもちろん、この奨学金にご寄付いただいている方々もみなさんを応援しています」(前田専務)

記念品は日本財団の担当者が選んだ革製の小物入れ。ブラウンとゴールドの落ち着いた印象で「夢の奨学金」のロゴ入りです。担当者からは「玄関やデスクに置いて、時計やアクササリーなどを入れるなど、ご活用ください」とコメントがありました。

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卒業する奨学生へ贈られた記念品

最後に改めて、奨学生と共に歩んできたソーシャルワーカー、そして日本財団の担当者からも温かい言葉が贈られました。

「オンライン交流会が続いていたなか、みなさんと久しぶりにお会いしてお話が聞けて、ほんとうに良かった。」
「学生時代が終わっても、人生は続いていきます。いつも、どこかにサポーターはいると思います。私たちのことを忘れないでくださいね」
「普段は忘れてしまっても、ふと思い出して“あの人たちだったら話を聞いてくれるかな”と思ったら、来てください。いつでも門を開けています」
「奨学金を得て学ぶなかで、いろんな人と出会えることで、また新しい道が切り開けたり、違う進路に挑戦してみたり、夢が変わることもあると思います。それもこの制度の良さだと思います」

活動報告会は無事に終了し、最後に集合写真を撮影しました。オンラインでの交流会が続いたなか、卒業生にとっては最後の記念に、他の奨学生にとっても久しぶりに対面で交流できた貴重な活動報告会となりました。

寄付の状況 2022年5月末現在
5億858万4,647円
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日本財団は、「生きにくさ」を抱える子どもたちに対しての支援活動を、「日本財団子どもサポートプロジェクト」として一元的に取り組んでいます。