子どもの貧困対策支援

日本財団CM「子どもサポート篇」の1シーン

貧しさが、子どもに必要な「つながり」を奪い取る

田中さんのケース 『子どもの貧困が日本を滅ぼす』(文春新書, 2016)

田中さんは生まれる前に両親が離婚しており、
5歳上の姉と共に、母親の女手一つで育てられていた。

生活が一変したのは小学校5年生の時。
大好きだった母親が交通事故で亡くなってしまった。
田中さんは、既に別の女性と再婚していた父親に引き取られることになった。

しかし、そこで待ち受けていたのは父親からの壮絶な暴力であった。
毎日のように殴られ、食卓を一緒に囲むことは許されなかった。
部費を払ってもらえず、大好きなサッカーも諦めざるを得なかった。
唯一の心の支えだったのは5歳上の姉だったが、
その姉も高校卒業と同時に家を出て行ってしまった。

そんな折、小遣いがなくて買うことのできなかった整髪料を万引きしてしまい、
逃げる際に警備員にケガを負わせた結果、強盗致傷事件となり、保護観察処分となる。
しかし、保護観察中にも万引きを繰り返し、最終的に少年院に入ることになった。
退所後はとび職の会社で働きはじめ、周囲の助けも借りながら、自立している。

このエピソードから皆さまは何を思いますか。
犯罪に手を染めた少年の心の弱さを自己責任として片付けられるでしょうか。
助けを借りようにも頼れる大人がいない。
こんな境遇を子どもたち自身で乗り越えるのはあまりに厳しいのではないでしょうか。
皆さんが当たり前と思っているものが、
当たり前ではない子どもたちが7人に1人 (子どもの貧困率13.9%, 2016年「国民生活基礎調査」より) いるのです。

現在の寄付件数:29,918件 1億9,934万6,652円

(2018年11月5日現在)

日本財団の取り組み

-子どもたちに温かい家庭のような第三の居場所を-

日本財団では、たとえ貧困状態にあっても、
子どもたちが地域の人々の支えを受け、将来の自立に必要な力を育む、
「家でも学校でもない第三の居場所」を全国に設置しています。

ここでは専門的な研修を受けたスタッフや地域のボランティアが、
日々のかかわりを通じて、子どもたちの自己肯定感を育み、生活習慣を整えるなど、
将来の自立に必要な力を育み、貧困の連鎖を断つことを試みています。

現在は、主に小学校1年~3年生を対象に、
放課後から最大21時まで、子どもたちに安心・安全な居場所を提供しています。

イラスト:第三の居場所を表したもの。第三の場所の特徴5つ。安心な居場所:最大21時まで。スタッフやお友達と一緒に安心して過ごせます。学習サポート:宿題の見守りなどを通じて、学習習慣や意欲等を育みます。読書活動:お友達と取り組む楽しい読書体験で本が大好きに(「読書」「読み聞かせ」がその後の学習意欲、学力に影響があることが明らかになっています)。生活リズムづくり:成長の基礎となる大切な生活習慣が身につきます。あたたかい食事:準備やお片付けも一緒に、楽しく食事します。

-第三の居場所での取り組み-

居場所の提供

子どもたちが安心・安全に過ごせるよう、居心地のよい環境づくりに努めています。「ここに居ていいんだ」と思ってもらえるよう、まずは子どもたちのありのままを受け入れることから始めています。食事の提供も行なっており、食卓での温かいだんらんを大切にしています。

生活支援

経済的に困窮している家庭では、基本的な生活習慣が身についていないケースが多くみられます。生活のリズムをつくり、手洗いや歯磨き、食事の配膳・片付けなど基礎的な生活習慣を整えます。また、日々の遊びを通じて友達や大人との関わり方を学び、社会性を培っています。

学習支援

特徴的なプログラムの一つに、株式会社ベネッセホールディングより提供を受けているグリムスクールという読書プログラムがあります。一冊の本をみんなで楽しみながら読むための仕掛けが多く施されており、子どもたちの読書意欲を高め、語彙力の向上を図っています。この他にもスタッフによる宿題指導を行なっています。

効果検証

日本財団は第三の居場所を全国に100カ所設置するべく、地方自治体やNPOなどの支援団体とともに取り組んでいます。とはいえ、第三の居場所の設置だけで子どもの貧困問題を解決することは難しいでしょう。私たちはこの活動を通じて見えてくる効果的な支援方法を特定し、政策提言を積極的に行ない、真の問題解決に結び付けていくことを目指しています。

図版:第三の居場所の1日のスケジュール例と特徴。14:00宿題/個別学習、15:00おやつ、16:00外遊びor体験活動、17:00読書活動、18:00夕食、19:00自由時間、20:00お片付け、帰りの用意、21:00お迎え。特徴:毎日の宿題だけでなく、一人ひとりに合わせてニガテも無くします。読書や読み聞かせに加えて、ゲーム形式でみんなで同じ本を読むなどの体験活動も行います。バランスの良い夕食を毎日提供します。調理や片づけをお手伝いし、皆で食たくを囲みます。

私たちの仲間になってください

私たちは、貧困によって奪われた子どもたちの「機会」や「可能性」を、みなさんとともに取り戻していきたいと考えています。
でも、第三の居場所はまだ国内に数カ所しかありません。
今後、全国に100カ所を目指して第三の居場所を建設し、地域のNPOなどと協力しながら運営しいく予定です。
そのためにはあなたの力が必要です。

あなたにお願いしたいこと

貧困を「知る」、「伝える」

現代社会にある新しい貧困が引き起こす問題を知ってください。そして、多くの人に伝えてください。正しい情報が広く周知され、「貧困は自己責任」という考え方を見直していかない限り、子どもたちは救われません。日本の子どもは日本の宝。みんなの宝。という日本人がもともと持っている温かい気持ちをみなさんと共に社会に醸成していきたいのです。

ボランティアで参加する

全国に「子ども食堂」や「無料学習塾」など経済的に困窮している家庭の子どもたちを支援する場所が増えています。ぜひそうした場所で、ボランティアに参加してみませんか。第三の居場所でも今後ボランティアを募集していく予定です。

寄付で支援する

日本財団では、今後全国に100カ所の第三の居場所を建設する予定です。
第三の居場所の建設には1カ所2,000万円~5,000万円ほどの建設費が必要です。
また、運営のための資金も、専門スタッフを配置しているため、1カ所につき年間2,000~3,000万円ほど必要です。

あなたからの寄付は全額、第三の居場所の活動に大切に活用させていただきます。

日本財団子どもサポートプロジェクトロゴ

日本財団は、「生きにくさ」を抱える子どもたちに対しての支援活動を、
「日本財団子どもサポートプロジェクト」として
一元的に取り組んでいます。

その他のプロジェクトにもご協力をお願い致します

日本財団では、その他にも皆様のご支援を募っているプロジェクトがあります。
皆様のご支援を心よりお待ち申し上げます。

日本財団について

日本財団とは

パラリンピック支援やハンセン病支援など、社会の様々な課題解決に向かって活動や支援を行っている公益財団法人です。

支援活動について

子どもの支援のほか、災害、障害者、途上国支援など、様々な活動を行っています