日本財団子どもたちに家庭をプロジェクト

特別養子縁組や里親制度の普及により、血縁上の親と離れて暮らす子どもたちが、あたたかい家庭で暮らすことのできる社会を目指すプロジェクトです。妊娠期からの早期支援や親子支援プログラムなど、子どもたちがなるべく実家庭で生活するための支援にも取り組んでいます。

社会的養護を必要とする子どもたち

様々な事情で血縁上の親と離れて暮らす子どもたちが、日本には約4万2,000人います。

国連子どもの代替養育ガイドラインによると、まず子どもと実家族を支援し、それでも血縁上の親と暮らすことが難しい場合には、養子縁組により恒久的な家庭を得ること(パーマネンシー)が望ましいとされています。それが難しい場合には、里親などの家庭的な環境で子どもが育つことが推奨されています。

日本では、児童相談所と民間団体が、子どもの福祉を目的とした養子縁組を行っており、特別養子縁組をする子どもは年間700人程度(2023年現在)ですが、アメリカでは毎年6万人以上、イングランドでは2,500人以上の子どもたちが養子縁組しており、日本での養子縁組の取り組みはまだ少ないと言われています。

国も児童福祉法や新しい社会的養育ビジョンにおいて、家庭養育を推進していますが、現在でも社会的養護を必要とする子どものうち約8割が乳児院や児童養護施設などの施設で生活しており、里親家庭やファミリーホームで暮らす子どもは2割にすぎません。諸外国では、里親家庭で生活する子どもの割合が多く、日本でも更なる取り組みが必要とされています。

各国の要保護児童に占める里親委託児童の割合(2018年前後の状況)(%)

各国の要保護児童に占める里親委託児童の割合(2018年前後の状況)(%)の棒グラフ。イギリス73.2%。ドイツ48.3%。フランス44.2%。イタリア52.4%。アメリカ81.6%。カナダ(BC週)85.9%。オーストラリア92.3%。香港57.0%。韓国29.6%。日本21.5%。
※「乳幼児の里親委託推進等に関する調査研究報告書」(令和2年度厚生労働省先駆的ケア策定・検証調査事業)
※日本の里親等委託率は、令和元年度末(2020年3月末)
※ドイツ、イタリアは2017年、フランス、アメリカ、カナダ(BC州)、香港は2018年、イギリス、オーストラリア、韓国は2019年の割合
※里親の概念は諸外国によって異なる。
赤ちゃんと幼児の子どもがいる、家族4人がピクニックしながらご飯を食べている様子

子どもたちに家庭をプロジェクトの活動

周知啓発

養子縁組や里親制度の普及啓発のために、ホームページやSNSでの情報発信や、講演会・シンポジウム・勉強会などを実施しています。

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2022年4月4日は養子の日 イベントの模様

調査研究と政策提言

家庭養護の推進にかかわる調査研究や、法律や制度の改善に向けた政策提言を行っています。また、多くの方に知っていただけるよう報告書やガイドブックなどを発行しています。

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はじまりの連絡帳 表紙

ネットワークの構築

「子どもの家庭養育推進官民協議会」や「全国妊娠SOSネットワーク」など関係者のネットワーク構築や連携を促すことで、課題解決が促進されることを目指しています。

民間団体への資金協力

特別養子縁組と里親制度の普及や、家庭養育をすすめるモデルプロジェクト、人材育成等を目指して、民間の里親支援機関や養子縁組団体への資金協力を行っています。

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大分県と福岡市で『ひらけ!里親プロジェクト』スタート

関連リンク

お問い合わせ

日本財団 公益事業部 国内事業開発チーム 子どもたちに家庭をプロジェクト

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