子どもたちに家庭をプロジェクトとは
特別養子縁組や里親制度の普及により、血縁上の親と離れて暮らす子どもたちが、あたたかい家庭で暮らすことのできる社会を目指すプロジェクトです。妊娠期からの早期支援や親子支援プログラムなど、子どもたちがなるべく実家庭で生活するための支援にも取り組んでいます。
社会的養護を必要とする子どもたち
さまざまな事情で血縁上の親と離れて暮らす、社会的養護を必要とする
子どもたちが、日本には約4万2000人(※1)います。
国連子どもの代替養育ガイドラインによると、まず子どもと実家族を支援し、それでも血縁上の親と暮らすことが難しい場合には、養子縁組により恒久的な家庭を得ること(パーマネンシー)が望ましいとされています。それが難しい場合には、里親などの家庭的な環境で子どもが育つことが推奨されています。
- ※ 1 出典:こども家庭庁支援局家庭福祉課「社会的養育推進に向けて」(P.5)令和6年6月
養子縁組の取り組みが少ない日本の現状
日本では、児童相談所と民間団体が、子どもの福祉を目的とした養子縁組を行っており、特別養子縁組をする子どもは近年、年間500~700人程度ですが、アメリカでは公的機関からの養子縁組だけで5万人以上、イングランドでは2500人以上の子どもたちが養子縁組しており、日本での養子縁組の取り組みはまだ少ないといわれています。
里親家庭やファミリーホームで暮らす子どもの増加に向けた更なる取り組みが必要
国も児童福祉法や新しい社会的養育ビジョンにおいて、家庭養育を推進していますが、現在でも社会的養護を必要とする子どものうち約8割が乳児院や児童養護施設などの施設で生活しており、里親家庭やファミリーホームで暮らす子どもは2割にすぎません。(※2)諸外国では、里親家庭で生活する子どもの割合が多く、日本でも更なる取り組みが必要とされています。
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2 出典:こども家庭庁支援局家庭福祉課「社会的養育推進に向けて」(P.5)令和6年6月
各国の要保護児童に占める里親委託児童の割合(2018年前後の状況)(%)(※3)
- ※ 「乳幼児の里親委託推進等に関する調査研究報告書」(令和2年度厚生労働省先駆的ケア策定・検証調査事業)
- ※ 日本の里親等委託率は、令和3年度末(2022年3月末)
- ※ ドイツ、イタリアは2017年、フランス、アメリカ、カナダ(BC州)、香港は2018年、イギリス、オーストラリア、韓国は2019年の割合
- ※ 里親の概念は諸外国によって異なる。
- ※ 3 出典:こども家庭庁支援局家庭福祉課「社会的養育推進に向けて」(P.67)令和6年6月
子どもたちに家庭をプロジェクトの活動
周知啓発
養子縁組や里親制度の普及啓発のために、ホームページやSNSでの情報発信や、講演会・シンポジウム・勉強会などを実施しています。
調査研究と政策提言
家庭養護の推進にかかわる調査研究や、法律や制度の改善に向けた政策提言を行っています。また、多くの方に知っていただけるよう報告書やガイドブックなどを発行しています。
ネットワークの構築
「子どもの家庭養育推進官民協議会」や「全国妊娠SOSネットワーク」など関係者のネットワーク構築や連携を促すことで、課題解決が促進されることを目指しています。
民間団体への資金協力
特別養子縁組と里親制度の普及や、家庭養育をすすめるモデルプロジェクト、人材育成等を目指して、民間の里親支援機関や養子縁組団体への資金協力を行っています。
関連リンク
お問い合わせ
日本財団 公益事業部子ども支援チーム 子どもたちに家庭をプロジェクト
- 住所:〒107-8404 東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル内
- 電話:03-6229-5111(代表)
- メールアドレス:kodomokatei@ps.nippon-foundation.or.jp