障害者の暮らしを支えるアクセシビリティ技術普及プロジェクトICTの力で、だれ一人取り残さない社会の実現へ

「障害者の暮らしを支えるアクセシビリティ技術普及プロジェクト」とは
日本国内には、自発的に意思疎通を行うことが困難で、コミュニケーション支援が必要な人々が、約8.6万人に上ると推定されています※。重い病気、事故によるケガ、障害等、原因はさまざまですが、必要な支援を受けることができている人は、ほんのひと握りです。
どんな状況に置かれても、大切な人たちに思いを伝え、日常生活での楽しみを持つことは、当事者の生きがいにつながります。また、周りの家族がともに過ごす時間を充実したものにし、支援者が質の高いケアを行うためにも大切です。
- ※ 東京慈恵会医科大学 アクセシビリティ・サポートセンターによる推定値。
私たちが目指すのは、コミュニケーションに困りごとを抱えている人々を取り残さない社会です。そんな社会の実現に向けて、東京慈恵会医科大学 アクセシビリティ・サポートセンターとともに取り組むのが、「障害者の暮らしを支えるアクセシビリティ技術普及プロジェクト」です。

「アクセシビリティ」の考え方
コミュニケーション支援には、文字盤などのアナログな器具を利用する方法と、ICTを活用する方法があります。「障害者の暮らしを支えるアクセシビリティ技術普及プロジェクト」では、タブレットなどの情報端末に標準装備されている「アクセシビリティ機能」をフル活用します。アプリケーションソフトを使い、身体の状況に合わせた補助器具を組み合わせて、当事者が機器を使いやすくしています。
このような支援技術には、1つの決まった方法があるわけではありません。例えば、目の動きや音声や身体のわずかな動きを使ってタブレットを操作することができます。その操作で家族にLINEのメッセージを送ったり、家電を操作したりするなど日常生活の動作を行います。


このように、1つの方法で対応できなくても、他の方法も柔軟に試して、コミュニケーション手段を確保しています。それぞれの病気やケガ、そして障害種別によって当事者が必要とする対応を決まった方法で推し量るのではなく、あくまで当事者本人の希望を考慮しながら、近しい家族や支援者の力を借り、意思疎通できるよう機器の設定や使い方を工夫しています。
障害や病気のみに対処しようとするのでなく、当事者のすべての生活の中でのコミュニケーションの大切さに思いをはせながら、課題の解決策は1つだけと決めつけず、アクセシビリティ・サポートセンターのスタッフは、日々、現場の当事者に向かい合います。
周りの人に何かを伝えるばかりでなく、自分一人で好きなタイミングにさまざまな選択ができること、そしてときには自分の意志で何も伝えないこと。こうしたコミュニケーションへのアクセスが保証されることが「アクセシビリティ」です。
活動内容
本プロジェクトにおいて、現在取り組んでいる主な内容は以下の通りです。
1. 医療分野での調査研究
コミュニケーションについての困りごとを抱えている人の力になりたいと思う医療従事者やリハビリテーション専門職従事者は少なくないかもしれません。実際に、アクセシビリティの技術が役に立つのかどうかを示すエビデンスがあれば、医療関係者が現場で自信をもって当事者に対応することができます。本プロジェクトを統括する高尾洋之医師が中心となり、アクセシビリティ技術の導入による結果、当事者の「生活の質QOL」の向上を検証する医学的研究を進めています。
2. 草の根での普及活動
当事者や家族、そして日常的に両者をサポートする福祉従事者が、アクセシビリティ技術を導入した生活の様子を具体的にイメージできることが大切です。そこで、全国にアクセシビリティのモデルルームを広げる活動をお手伝いしています。また、アクセシビリティの考え方や技術を広く知ってもらえるよう、全国各地で講演会も実施しています。


3. 教育
医療・リハビリテーション・福祉の専門職従事者だけでなく、当事者の地域での生活に関わる自治体職員や教職員・関連領域の学生にもアクセシビリティについて知ってもらえるよう、アクセシビリティ・サポートセンターでは無料で学べるオンライン教材を作成しました。
今後、アクセシビリティの考え方と技術を広げていくための人材を各地で育成していきます。アクセシビリティ技術は、その性質上、導入の実践方法が多様です。その一方で、全国区での普及には、アクセシビリティ技術の内容を医学分野と介護分野両方の専門的知見を併せて検討することが大切です。アクセシビリティ・サポートセンターでは、こうした課題を検討するために「アクセシビリティ研究会(仮名称)」の発足も予定しています。
関連リンク
お問い合わせ
急患の患者様がいらっしゃいますため、東京慈恵医科大学病院に直接電話することは、ご遠慮頂きますようお願い致します。
アクセシビリティについてのお問い合わせは、下記メールアドレスにお願い致します。
- メールアドレス:asc@asc-jikei.jp
本事業、および弊財団へのお問い合わせは下記メールアドレスにお願い致します。
日本財団 特定事業部 障害インクルチーム
- メールアドレス:100_shougai_inclusion@ps.nippon-foundation.or.jp