日英グローバル・セミナー2015「資本主義体制下における民主主義のこれから:日英の展望」
私たち日本財団は、英国王立国際問題研究所(以下、チャタム・ハウス)、グレイトブリテン・ササカワ財団とともに、日英グローバル・セミナーを開催できることを大変嬉しく思います。
ロビン・ニブレット所長をはじめとするチャタム・ハウスの皆さまには、会議の開催にご尽力いただき、心より御礼申し上げます。
そして本日、林景一駐英日本大使のご臨席と基調講演を賜りましたことに感謝申し上げます。日本大使館からは、このプロジェクトの開始以来、多大なご協力をいただいております。
また本日は、会長のセント・アンドリュース伯爵をはじめ、日英両国からご出席いただいたグレイトブリテン・ササカワ財団の理事の皆さまを心より歓迎いたします。
グレイトブリテン・ササカワ財団は1985年に設立され、日英の相互理解促進の強化を目的として活動しています。そして、両国の懸け橋となるだけではなく、より大局的な視点でグローバルな課題に取り組むことができるリーダーの育成を行っています。このような目的を持つグレイトブリテン・ササカワ財団と日本財団、チャタム・ハウスの3者が協力し、深刻化する世界的な課題に対し、日英両国がどのように取り組むことができるかを探ることになったのは極めて自然で意義のあることだと思います。
今まで2回開催してきた日英グローバル・セミナーでは、世界が直面している多様な問題を、異なる視点を持つスピーカーの皆さまにご参加いただき、議論を深めていただき、残り3回のセミナーにおける議論の基礎となっております。
第3回目の開催となります今回は「資本主義体制下における民主主義のこれから:日英の展望(“The Future of Capitalist Democracy:UK-Japan Perspectives”)」と題し、6つの幅広いトピックが選ばれています。どのトピックも個々に非常に魅力的なテーマで、このセミナーの目的に合ったテーマとなっています。より安定した健全な世界のために、過去の2回のセミナーと併せて今回の議論が、より良い世界のために私たちの進む道しるべになることでしょう。各セッションでは、スピーカーの皆さまのご経験や専門的なご見解を共有いただき、示唆に富んだ議論となることと期待しています。
私たちはこのセミナーが、世界が直面する複雑な社会課題への対応策を提示することを期待しています。しかし、変わりゆく社会環境の中で、日英両国は他の国同様、多くの国内問題を抱えております。たとえば日本では、ガバナンス、安全保障、人口動態(demography)など様々な問題があります。日英グローバル・セミナーでは、両国が世界に貢献するという目的はもちろん保ちながら、一方で、他国にも影響を及ぼしうる私たちそれぞれの国内問題についても、解決に向けた議論を進める必要があると考えています。
私たちは、いずれこの世界を次世代に引き継いでいかなければなりません。日英グローバル・セミナーは、今年で3年目、マラソンで例えると折り返し地点にあたります。世界にはまだまだ解決しなければならない問題が多くあり、そのために議論を続けることはもちろん重要なのですが、そろそろ、私たちがこの5年間のセミナーの成果を広く一般に知ってもらうための方策を考え、行動に移す時期に来ているのではないかと思います。
最後に、私たちが日英グローバル・セミナーのマラソンをゴールラインまで一緒に走り切り、この会議の成果が社会全体に広がっていくことを期待しています。