第32回世界保健機関(WHO)笹川健康賞授賞式
はじめに、第32回笹川健康賞を受賞されたFederation of Medicus Mundi Spainの皆さまに対し、お祝いを申し上げます。そして、笹川健康賞の趣旨を理解し、丁寧に選考をくださった選考委員の皆さまに心より感謝申し上げます。
日本財団は1984年に笹川健康賞を創設しました。この賞が創設された当時、WHOはアルマ・アタ宣言のもと“Health for all(すべての人に健康を)”というスローガンを掲げ、活動を推進していた時期でした。本賞創設のねらいは、世界の人々の生活改善やプライマリ・ヘルスケアの分野において顕著な貢献をした個人や団体を称えるというものです。また、その活動を発展させてほしいという想いも込められています。
今年の受賞者Medicus Mundi Spainは、エルサルバドル、グアテマラ、ペルー、ボリビアで展開されている、「プライマリ・ヘルスケアの原則に基づいた公衆衛生システムの変革」を目指した活動を評価されての受賞となりました。
本事業は、20年以上に亘り、それぞれの国の農村地域や先住民が暮らすコミュニティなどにおける、住民のプライマリ・ヘルスケアへのアクセス改善を目指してきました。本事業を実施する上で重視しているのは、各コミュニティのヘルスワーカーやセラピスト、行政、住人と連携し、地域を巻き込むことだと伺いました。
Medicus Mundi Spainはこの賞金で、4カ国の公衆衛生システムにおける本事業の効果を科学的に調査することを予定しています。また、他地域への応用の可能性なども検証するそうです。私たちは、この活動がプライマリ・ヘルスケアの向上にさらに貢献することを期待しています。
今日、私たちは持続可能な開発目標の一つである「すべての人に健康と福祉を」に向かって活動をしています。本日お集まりの皆さま、Medicus Mundi Spainと共に、この目標の達成に向け、引き続き尽力していこうではありませんか。
Medicus Mundi Spainの皆さま、あらためて、本日はおめでとうございます。