第34回世界保健機関(WHO)笹川健康賞授賞式

スイス・ジュネーブ

第34回笹川健康賞を受賞されたPro Palliative Care Unit Foundationの皆さまにお祝いを申し上げます。この団体は、25年以上にわたりコスタリカで、末期疾患のある子どもとその家族への緩和ケアを提供してきました。

笹川健康賞は、「すべての人々に健康を」という皆さまご存知のWHOが掲げる目標に賛同し、1984年に日本財団が創設しました。

本賞は、健康増進のために非常に革新的な取り組みをしている個人や団体を顕彰しています。

私は日本財団の様々な事業を通して、難病の子どもたちに会ってきました。私は、この子どもたちが身体的な痛みや症状の苦しみに加え、日常生活では多くの制限がある中で過ごさなければならない現状を目の当たりにしました。彼らは日々、心理的な不安や恐怖を抱えています。

この団体は、末期疾患のある子どもに対して、身体的、心理的、社会的、精神的なケアを総合的に提供しています。こうした取り組みにより、彼らのクオリティ・オブ・ライフを高め、穏やかで心地よい環境をつくることを目指しています。

また、このような子どもたちの家族が求める様々なニーズに応えるために、この団体は地域の連携を図っています。医師、看護師、大学、地域のボランティア団体と協力して、家族の心理的、経済的なニーズに応えています。

こうした末期疾患のある子どもたちとその家族に対するケアは、多くの国で十分ではないでしょう。言うまでもなく、この団体の活動から私たちは多くのことを学べるはずです。それは、「すべての人々に健康を」という私たちの共通の目標を達成するための重要な一歩となります。