ガンジー平和賞授賞式典

インド・ニューデリー

大統領閣下、副大統領閣下、首相閣下、 ご列席の皆さま。
このような栄誉ある賞をいただけたことを光栄に思います。

この賞は、私一人で受賞したものではありません。長年にわたってハンセン病の問題と闘ってきた多くの仲間と共に受賞したものです。まさにマハトマ・ガンジーからのエールだと感じています。

私は今から40年前、はじめてハンセン病療養所を訪れハンセン病患者と出会いました。

彼らは家族から捨てられてしまった人たちでした。
彼らは社会から隔離されてしまった人たちでした。
彼らは人生の自由を奪われてしまった人たちでした。

すべてハンセン病が原因でした。

私は、尊厳ある人間としての生き方が出来ない彼らの絶望を知り、強い衝撃を受けました。

そして私は彼らのように根深い差別と困難に苦しんでいる人々のために、人生を賭けて取組まなければならないと決意したのです。

それ以来、私はハンセン病の病気とスティグマ、差別のない世界を実現するために世界各国で活動を続けてきました。

想像してください。
ハンセン病患者、回復者が家族と食卓を囲む幸せを。
皆さんと一緒に勉強している学校を。
皆さんと一緒に働いている職場を。
そして、自分で決められる人生を。

私はこんな世界を目指しています。しかし、私たちはまだ道半ばです。

各国政府、NGO、国際機関の協力が必要です。
ハンセン病患者、回復者、当事者の声が必要です。
私たちが一丸となれば、ハンセン病の病気とスティグマ、差別のない世界が実現できるはずです。

これは見果てぬ夢ではありません。

ありがとうございました。