日本財団・大阪大学感染症対策プロジェクト・キックオフ・シンポジウム挨拶

ビデオメッセージ

私は日本財団の会長を務めている笹川陽平と申します。日本財団はこの度、大阪大学の感染症対策プロジェクトに参加させていただき、アフターコロナの感染症対策について協力をさせていただくことになりました。今回はそのキックオフのシンポジウムということで挨拶の機会を賜りました。

日本財団は、古くは感染症の中でも天然痘という病気があり、日本でも古来多くの方々が亡くなられた病気ですが、天然痘の撲滅に協力し、最後のファイナルプッシュはエチオピアにいる最後の患者さんでした。これにより天然痘が撲滅されたということになりますが、日本財団はこれに協力を致しました。その後、私自身同じ感染症ですが、世界のハンセン病を無くそうということで、1995年から5年間世界のハンセン病の薬を全て無料で配布し、その結果500万人以上の患者を救うことが出来ました。

感染症とは縁があると私自身思っております。しかし、感染症に限らず医学の分野におきましても、様々な協力をして参りました。例えば、30年以上経ちますが、ホスピスナースという当時がん患者のための特別の看護師は存在しませんでしたが、看護師協会と連携しホスピスナース・プロジェクトを開始しました。これまでに5000人を超えるホスピスナースを養成してきました。今や多くのご高齢の方は、在宅で亡くなりたい、終末を迎えたいという人が7割を超えています。在宅看護センターを全国各地に作りまして、自宅を訪問し看護する仕組みづくりにも大きな努力を図ってきました。また、子どもたちの病気の中でも、特に難病におかされた子どもたちもいます。24時間酸素ボンベが外せないという、お気の毒な方もいらっしゃいます。そうした方々のケアは勿論、ご家族の負担は大変重いものがありますので、レスパイトの施設づくり等々、また、残念ながら障害をもって生まれた子どもや、成長された方への施設づくりも懸命に努力をさせていただいているのが日本財団です。

冒頭申し上げました通り、コロナの世界的なパンデミックというのは本当に、我々を驚かせるものがあります。気候変動の中で、これからも新たな感染症の可能性も議論されるようになりました。感染症対策につきましては、最も日本で歴史と伝統と、そして具体的な実績のある大阪大学に我々は協力をすることが出来ましたことは大変大きな喜びであると同時に、大阪大学におかれましては、是非とも世界の一流の研究者を訪問して共同研究が出来るようなオープンなプラットフォームになって欲しいというのが、日本財団の切なる願いです。 今日のシンポジウムが大きな成果を挙げられることを心から期待しまして、挨拶にかえさせていただきます。ありがとうございました。

※本ビデオメッセージは、日本財団活動紹介YouTube(外部リンク)にて視聴できます。