国連海洋会議サイドイベント:小島嶼開発途上国のための海洋科学とイノベーションの新たなフロンティア
ウォルトン・ウェブソン・アンティグア・バーブーダ国連常駐代表兼小島嶼国連合会長、モルウィン・ジョセフ・ナイトグランドコマンダー・保健・健康・環境大臣兼小島嶼国連合会長、小島嶼開発途上国のリーダーの皆さん。
私は生きとし生ける全ての生命を生み出してきた海洋を「母なる海」と呼んでいます。そして人類はこの「母なる海」から多大な恩恵を受け、今日まで進歩してきました。しかし同時に人類は海の存在を当然のものと考え、特に経済の近代化に伴い何十年にもわたり大きな負担をかけてきました。今、「母なる海」は静かな悲鳴をあげています。
日本財団は、この海洋の危機をいち早く認識し、30年以上にわたり多様な海洋問題に対する活動をして参りました。このサイドイベントで発表される宣言においても重要視されている能力開発は我々の中心的な取り組みであり、島嶼国を含めこれまでに世界150ヶ国、1,600名以上の海の専門家を養成し、ネットワークを構築してきました。
こうした従来の取り組みによって輩出されたアルムナイからの提案、そしてエディンバラ大学の多大なご協力によって、この度、島嶼国及び沿岸地域の若手研究者の人材育成プログラム、「Ocean Voices」を新たに始動することになりました。これまで、海洋の危機に対して深刻な影響を受ける小島嶼開発途上国からの声はなかなか世界に届いてきませんでした。しかし今年の4月にパラオがアワ・オーシャンを主催し、小島嶼開発途上国の世界的な存在感が高まりつつあります。こうしたなか、Our Voicesのみならず、島嶼国が直面する課題を特定し、必要な対策を講じることができるよう、2024年に東京で「世界島嶼国会議」を開催することも計画しております。 日本財団は小島嶼開発途上国が海と共存し一層の繫栄が出来るよう引き続き協力して参ります。そして、人類共有の財産であると同時に人類の生存に関わる「母なる海」を千年先の未来に引き継げるよう、共に考え共に行動していこうではありませんか。ありがとうございました。
※本ビデオメッセージは、日本財団活動紹介YouTube(外部リンク)にて視聴できます。