国連海洋会議サイドイベント: 人々と地球の為の海底地形図

於: リスボン (海野光行・常務理事代読)

アリエル・トロイシ・IOC‐UNESCO会長、ジェイミー・マックマイケル・Seabed2030プロジェクト・ディレクター、お集りの皆さま。日本財団は地球の海底地形を2030年までに100%解明するという夢とロマン溢れるチャレンジに取り組んでおり、50ヶ国を超える160以上の団体と共に、既に約23.4%の海底地形を解明しました。この場を借りて関係者の皆さまの努力に改めて敬意と感謝を申し上げます。

我々人類は、陸上のことや宇宙のことには、あるいは大きな関心を持って開発を進めてきましたが、地球の7割を占め、人類をはじめとする生きとし生けるものを育んできた「母なる海」の重要性については残念ながらあまり注目していませんでした。こうしたなか、日本財団は「海洋の存在なくして人類の存在なし」という考えのもと、既に35年以上前に「母なる海」の重要性のみならず、その悲鳴に耳を傾け、海を守る取り組みを始めました。

中でも海底地形の解明は水の惑星である地球の状況を把握するうえで必要不可欠であると考えています。海底の状態が明らかになることで、海底資源の分布や海の生態系の状態、そして潮流のメカニズムや津波の予測、ひいては船舶の航行安全、海難救助といった多様な分野において大きな進歩が期待できます。だからこそ私は、海の豊かさを守り、海の持続可能な開発を謳うSDGs14の目標の実現に向けて、Seabed2030は最も重要な取り組みの1つであると考えています。

海底地形を100%把握するためには引き続き皆さんの多大な協力が必要となります。海底地形を完全に解明するという夢とロマン溢れるチャレンジを、人類史に残る偉業として共に成し遂げましょう。ありがとうございました。