TICAD8: 海洋政策研究所(OPRI)サイドイベント
マフムード・エリェス・ハムザ・チュニジア共和国農業・水資源・漁業省大臣、ヘクミ・ミサウイ・チュニジア国立海洋科学技術研究所所長、お集りの皆さん。
日本財団は40年以上にわたり、アフリカの皆さんと共に歩んできました。ハンセン病の制圧活動、海洋の専門家を含む人材育成事業、そして小規模農家への農業指導を通じた食糧増産活動などです。特に農業支援については、1984年に発生したエチオピアの大飢饉をきっかけに、ジミー・カーター・元アメリカ合衆国大統領、緑の革命を指導しノーベル平和賞を受賞したノーマン・ボーローグ博士、そして私の父・笹川良一の3名が中心となり開始され、今日まで途切れることなく続いています。
40年前の大飢饉と同様、現在アフリカをはじめ世界は、食料安全保障の確保という大きな課題に直面していると申せましょう。今、ウクライナ侵攻の影響で食料供給網の遮断が食料不足や高騰を引き起こしています。こうした不安定な世界情勢に加え、気候変動の影響、そして2050年には人口が現在の2倍の25億人に達すると言われるアフリカにおける急速な人口増加などにも対処していかなければなりません。食料安全保障の確保は喫緊の課題であります。今こそアフリカが、これまでの経験を活かし、人類が直面する食料危機に対して大きな役割を果たすことができるのではないでしょうか。
これは農業分野での貢献に留まりません。アフリカ諸国が昨今国際的な議論をリードし始めたブルー・エコノミーの分野も大きな可能性を秘めているといえるでしょう。例えば、2018年に開催された「持続可能なブルー・エコノミーに関する国際会合」そして今年の6月に開催された第2回国連海洋会議などは、アフリカ諸国がブルー・エコノミー分野で一致団結して取り組んでいく大きな一歩とであったといえます。是非ともアフリカ諸国の皆さんにおかれましては、ブルー・エコノミーの実践に引き続き尽力いただき、ひいては現在世界が直面する食料危機の解決に貢献されることを期待しております。そして、その為に不可欠なアフリカにおける海洋分野の研究や人材養成について、日本財団は引き続き笹川平和財団海洋政策研究所や世界海事大学などと連携して支援して参ります。これからもアフリカそして世界の繁栄の為にネバー・ギブアップの精神で共に努力して参りましょう。ありがとうございました。
※本ビデオメッセージは、日本財団活動紹介YouTube(外部リンク)にて視聴できます。