「2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」開催「カッコイイ!」「カワイイ!」福祉を渋谷から発信
渋谷ヒカリエ8階「8/(ハチ)」
誰もが乗りたくなる車いす
2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催される年。その頃には実現しているはずのバリアフリー生活を体験してみようという展覧会が東京・渋谷ヒカリエの展示スペース「8/(ハチ)」で11月12日から開催されている。
展示されているのは、車いすや、義肢装具、歩行支援器具や、視覚障害者向けの器具など「福祉機器」と呼ばれる製品なのだが、これまでのイメージを一新するような“超福祉アイテム”が並んでいる。
会場で最初に目に入るのは「渋谷の街を走ってみたくなる」をコンセプトに集めた最先端の車イスやパーソナルモビリティに触れることができる「ストリート・エリア」。
ヤマハ発動機とファッションデザイナー廣川玉枝さんのコラボレーションで生み出された電動アシスト車いす「02GEN」は、白とピンクを基調にした美しいデザインで、女性たちが出かけるときにおしゃれな靴やバッグを身に着けるような気分で乗ることができる。
セグウェイジャパンの電動車いす「Genny 2.0」は、砂浜でもゲレンデでも動けるスポーツ仕様。その他にも折り畳みタイプや、競技用車いすの技術を生かしたものなど、福祉機器の枠を超えて、誰もが乗ってみたくなるような“乗り物”ばかりだ。
もう一つのコーナー「ショップ・エリア」では、アートとテクノロジーが融合した義足のカスタマイズショップ、目が見えなくても情報を知ることができる未来型のブックストア、一流選手の競技感覚を疑似体験できるスポーツショップなどでの“買い物”を体験できる。
中でも来場者の関心を集めていたのが、3Dプリンタを活用した未来の義肢。一般的に義足などの義肢を作るには、医師が処方した上で、義肢装具士が採寸・製作からフィッティングまで手作りで行うことになっており、完成までの時間もかかり装着する人の負担も大きくなる。しかし、3Dプリンタや最先端のスキャナーの技術を導入すれば、時間が大幅に短縮できる。さらに、今回は世界的に活躍するデザイナーたちが制作したアニメに登場するような斬新な義肢も展示されていて、身体の機能を補うための義肢を「周囲に見せるファッション」に変える提案も行われている。
この義肢のプロジェクトに参加している3DCGデザイナーの小林武人さんは「3Dプリンタを使えば、その日のうちに義肢が出来るし、デザインの自由度も増します。みんなに自慢できるような義肢を身に着けたら、気持ちもポジティブになるのではないでしょうか」と話す。
展示会を主催したNPO法人ピープルデザイン研究所の須藤シンジ代表は、「渋谷にいる人たちが、『カッコイイ!』『カワイイ!』『ヤバイ!』と驚くようなものばかりを集めました」と話す。
「2020年には東京でパラリンピックも開かれます。施設の面でのバリアフリーの準備は着々と進んでいますが、『心のバリアフリー』は間に合うのでしょうか。今まで『福祉』というと、気の毒な人、かわいそうな人を助けるものという印象が持たれがちでした。しかし、福祉機器ひとつでハンディキャッパーに関連する形容詞を『カッコイイ』『カワイイ』に変えることができるはずです。デザインをきっかけに、障害者と健常者のコミュニケーションも生まれるでしょう。日本には、それを実現する優れたテクノロジーもあります。ファッションの発信地である渋谷で開催することで、福祉のイメージを変えるきっかけになってもらいたいですね」
須藤さんは「2020年はあっという間に来るでしょうが、これまでの福祉を超えるような新しい形を多くの人々に伝えていきたい」と話していた。
イベント概要
日時 | 「2014年11月12日(水)〜18日(火)11:00〜20:00 |
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場所 | 渋谷ヒカリエ8階「8/(ハチ)」 |
主催 | ピープルデザイン研究所 |
共済 | 慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科、日経BP社、渋谷区 |
助成 | 日本財団 |
入場料 | 無料 |
展示会HP | 2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展 |
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