日本財団から滋賀県立美術館に収蔵作品729点を寄贈

日本財団では、多様な個性に寛容なインクルーシブな社会の実現を目指し、「障害者と芸術文化」の領域への支援を行っています。この一環として、2010年にパリで開催された第1回アール・ブリュット・ジャポネ展に出展された作品等を732点収蔵し、作品の適切な保存と展覧会等への貸出を行ってきました。このたび、これらの作品のうち729点を滋賀県立美術館に寄贈することとし、8月18日(金)に滋賀県庁にて寄贈式典を行いました(※一部寄託作品を含みます)。当日は、日本財団理事長の尾形武寿、公益事業部常務理事の吉倉和宏、三日月大造滋賀県知事、保坂健二朗滋賀県立美術館ディレクター(館長)らが出席しました。

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滋賀県庁での式典の様子(左から、三日月大造滋賀県知事、日本財団理事長 尾形武寿)

コメント

日本財団理事長 尾形武寿

2010年、フランス・パリの美術館で日本のアール・ブリュット作品を紹介する展覧会が開かれ、開催期間を延長するなど反響を呼び、話題が逆輸入される形で、会期後の日本での巡回展が注目された。日本財団が展示作品の大半を所蔵し、展覧会や作品の貸し出しを行ってきたが、よりきめ細やかな対応が必要と考え美術館への寄贈等を検討してきた。滋賀県立美術館は公立の美術館ということで経営が安定しており、専門の学芸員も在籍している、既に作品を取り扱っている実績があるということから、同美術館への寄贈がふさわしいと考えた。

日本財団常務理事 吉倉和宏

日本財団はハンセン病、高齢者、障害者など社会的に弱者と言われる人たちへの支援を行ってきているが、残念ながら未だそういった人たちへの偏見や差別が存在している。今回寄贈した作品の大半は障害のある作家が制作した作品だが、作品にはこれら社会的弱者と言われる人たちへの偏見は見えてこない。好きな作品を見つけてもらい、作品を通して、作家に思いを馳せてもらいたい。作品がコミュニケーションのツールになってもらうといいと考えている。作品を介することで、作家への尊敬であったり、これまでにない新しい気づきが生まれたりすると、物事や人に対する見方が変わってくるのではないか。そういったことを期待している。

三日月大造 滋賀県知事

世界から評価されている作品の多くを滋賀県立美術館に寄贈していただき感謝している。また、数多くある美術館から滋賀県立美術館を選んでいただき光栄に思う。作品は大切に収蔵し、定期的に鑑賞の機会を作るなど、たくさんの方に楽しんでいただきたいと考えている。また、国内外から評価された作品を取り扱うことになるので美術館の学芸員の励みにもなる。今後も日本財団のネットワークを活用させていただくなど連携しながら進めていきたい。

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