アジアの障害者リーダーらからの表敬訪問5カ国8名の車いすユーザーと社会課題について議論

日本財団は8月26日にアジア5カ国から来日した8名の障害者リーダーらからの表敬訪問を受け、意見交換を行いました。彼らは過去に日本で「自立生活運動」を学び(※1,2)、それを基盤に自国で地域社会のインクルーシブ化を進める当事者リーダーたちです。今回は同じく障害分野に取り組む日本財団にて、教育や雇用、政策提言など幅広い分野における自国での取り組みを紹介してくれました。出席した8名は全員が車いすユーザーであり、幼い頃は車いすも持たず、はいつくばって生活していたことから、学校の先生らを靴の違いで認識していたという方もいました。

出席した特定事業部担当常務理事の樺沢からは、日本財団がこれまで、奨学金制度や研修機会を通じて人材育成を継続的に支援してきた経緯について説明がなされました。今回のセッションでも、ベトナムからの参加者が日本財団の奨学金(※3)でマレーシア大学に留学し公共政策の修士号を取得したこと、その後に国際機関での勤務経験も得られ、自国での活動を広げている事例も報告されました。彼らからは「声を上げること」「仲間とつながること」が変化を生む原動力であるとの意見が多く寄せられ、国際的なネットワークの意義が改めて確認されました。日本財団は今後もこうしたリーダーたちの挑戦を支え、障害は「個人の問題」ではなく「社会課題であること」の理解促進を後押しし、インクルーシブ社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。

  • 1 自立生活とは、経済的自立やひとりでの暮らしを指すものではなく、介助を受けながらでも誰もが地域で自己決定を通じて尊厳をもって生きることを指す。日本では1970年代後半から浸透し始めた理念。
  • 2 「ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業」(公益財団法人ダスキン愛の輪基金)にて来日。
  • 3 「東南アジアにおける障害者リーダー育成のための大学院奨学金プログラム」(日本財団)にて修士号取得。
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訪問いただいたリーダーの皆さまへ樺沢常務よりご挨拶
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議論の様子

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