安藤忠雄氏による感染症研究棟が大阪大学に テーマは「宇宙船地球号」日本財団・大阪大学 感染症対策プロジェクト

日本財団と大阪大学(大阪府吹田市、総長 西尾章治郎)は、このたび、「日本財団・大阪大学感染症対策プロジェクト」の一環として建築する「感染症」に関する研究棟のコンセプトデザインを発表いたしました。デザインの監修は建築家の安藤忠雄氏で、「宇宙船地球号」をイメージした楕円形の建物です。世界中の優秀な研究者がここに集まり、力を合わせて問題に取り組んで欲しい、という想いが込められています。

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安藤忠雄氏による大阪大学感染症研究棟コンセプトデザイン(提供:大阪大学)
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研究棟の模型を持つ西尾総長、安藤氏、笹川(左から)

日本財団・大阪大学感染症対策プロジェクトについて

日本財団と大阪大学は、2021年9月14日に日本財団ビル(東京都港区)での会見において、日本財団より大阪大学に対し、拠点整備を含めた助成を行う「日本財団・大阪大学感染症対策プロジェクト」(*1)を今後10年間、約230億円規模ですすめる計画を発表しました。日本財団では、感染症であるハンセン病の制圧に向けて半世紀近く取り組んでおり、新型コロナウイルス感染症によるパンデミック以降、療養施設の開設、救急医療施設・医療従事者への緊急支援、高齢者施設・介護サービス従事者への無料PCR検査などを提供してまいりました。本プロジェクトは、これらの支援を展開する中で長期的な視点で感染症という根本的な課題解決の必要性を実感したことがきっかけとなり発足したもので、今回の「感染症研究棟整備事業」はこのプロジェクトの一環です。

記者発表概要

日時 2021年12月16日(木)12:30~13:30
場所 大阪大学微生物病研究所 融合型生命科学総合研究棟1F 谷口記念講堂(大阪府吹田市山田丘3-1)及びオンライン
説明者 西尾 章治郎(大阪大学総長)
笹川 陽平(日本財団会長)
安藤 忠雄(建築家)

共同記者発表会における登壇者のコメント(一部)

国立大学法人大阪大学 総長 西尾章治郎氏

大阪大学は、自然科学系、人文社会科学系を問わず、全学体制で感染症の脅威に立ち向かう感染症総合教育研究拠点を本年4月に設置し、9月には日本財団と本学との「感染症対策プロジェクト」において、今回の感染症研究棟の整備計画を発表したところです。
このたび、この研究棟のコンセプトデザインを日本が世界に誇る建築家・安藤忠雄先生に作成していただいたことは、大変光栄です。2025年2月に竣工するこの研究棟は、大阪大学だけでなく日本の新たなランドマークとなる施設で、平時も有事の際も異分野の研究者がアンダーワンルーフで研究を進める「集学の場」として、世界から多彩な人材が集まる開かれたプラットフォームの基盤となるものです。今後も起こり得る感染症危機に備え、「感染症対策プロジェクト」を着実に進めていく所存です。

写真:国立大学法人大阪大学 総長 西尾章治郎氏

日本財団 会長 笹川陽平

日本財団は40年以上、ハンセン病という感染症を世界からなくす活動を行っており、感染症とは大変ご縁があります。
安藤先生のデザインは、宇宙船地球号。人類が共に共存するこの地球をイメージされたとお伺いをした。この大阪大学に世界中の優秀な人達に来ていただき研究をしていただけるということに、私たちは本当に胸がワクワクする想いでございます。

写真:日本財団 会長 笹川陽平

建築家 安藤忠雄氏

これは日本にとっても世界にとっても、大変重要な取り組みになると思いました。感染症は人類に対する大きな脅威であり、世界中一丸となって取り組むべき問題です。
恐らくこれからも形を変えて、人類に挑戦してくると思われます。その対抗手段として、感染症研究は今後ますます重要性を帯びてきます。研究棟の形状には、楕円形を採用しました。感染症の問題は、世界を巻き込む人類としての問題であると同時に、地域格差や差別など、一人一人の心の問題でもあります。それらを多角的に解決する「宇宙船地球号」としての役割を意識して、デザインに反映しました。世界中の優秀な研究者がここに集まり、力を合わせて問題に取り組んで頂きたい、そんな願いを込めて楕円形の宇宙船地球号をイメージしています。

写真:建築家 安藤忠雄氏

大阪大学について

大阪大学は、1931年に帝国大学の一つとして創立された、11学部、16研究科、6附置研究所等を擁する我が国有数の研究型総合大学です。
「地域に生き世界に伸びる」をモットーに、「社会変革に貢献する世界屈指のイノベーティブな大学」になることを目指しています。

ロゴ:大阪大学

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