京都・大阪の新型コロナ在宅診療チーム「KISA2隊」へ緊急支援決定新型コロナ在宅医療における安定的な医療体制構築と普及を目指す

日本財団は、今もなお感染拡大が続く新型コロナ対策として、京都市、大阪市を中心に両府で活動する新型コロナ在宅診療チーム「KISA2隊」に6,683万円を緊急支援することを決定しました。
本支援により、在宅診療に必要な機材・資材の安定的確保や、感染拡大が特に深刻な大阪を中心に在宅医療体制の強化、さらには地域医療の連携による在宅医療モデルの確立につなげます。また将来的には、本モデルが全国に普及し、地域の安定した在宅医療体制の構築につながるよう期待します。

在宅診療における課題

新型コロナ第6波ではオミクロン株が拡大し、感染者総数に対する重症化率が下がる一方、自宅療養者の増加に伴い、入院できない高齢者や基礎疾患がある人なども増加しています。このような状況の中、在宅患者への医療提供体制の構築が喫緊の課題となっています。
大阪市を中心としたエリアでは、2021年3月から6月にかけての第4波で、新型コロナ感染の自宅・宿泊療養者の死者数が全国最多でした。また2022年2月4日現在、3万6千人以上の人が自宅療養しており、同2月8日には病床の逼迫を受けて「医療非常事態宣言」が発出されました。
今回支援を行う「KISA2隊」は、地域で通常診療を行っている開業医等が、輪番制により24時間体制で新型コロナ患者の往診・療養フォローアップを行っています。その調整窓口や資材調達、データ整理などの事務の多くを、多職種のボランティアが支えており、事務局体制の安定化が課題となっています。

今回支援を行う「KISA2隊」のコロナ対応フロー図。①自宅療養者は保健所に体調の変化などを相談。②保健所は必要と判断した場合に往診をKISA2隊に依頼。③KISA2隊は派遣する医師や看護師を調整し、診療事務局から各診療所へ連絡。④KISA2隊は自宅療養者への往診およびフォローアップを行う。⑤KISA2隊は必要があれば保健所に入院調整を依頼。⑥自宅療養者は入院。今回KISA2隊に対して、診療事務局の人員の安定的確保や、コロナ往診用の機材などを支援
今回支援を行う「KISA2隊」のコロナ対応フロー図

支援の概要

  1. 往診等に係る連携拠点の整備:医療従事者等が自宅療養者の支援を行うための連携拠点を整備します(大阪府大阪市生野区を予定)
  2. 往診用車両の配備:感染症検査機器(ID-NOW)2台を載せた検査専用車両一台を整備します
  3. 往診のための機器等整備:診療データ共有システム、往診用タブレット端末や酸素吸入器、往診に必要な医材料一式等を整備します
  4. 普及活動の支援:今回の支援をモデルとし、全国各地へ普及活動を支援します

これらの支援を実施することで、急増する新型コロナ感染による在宅療養者に対する安定的な医療提供体制を整え、地域の医療機関が新型コロナ感染者を漏れなく支える連携モデルの確立を目指します。
また他地域へ同様の新型コロナ診療体制が普及することにより、感染症の流行に屈することない医療体制が全国に構築・拡大され、延いては国内における在宅医療体制全体の普及促進にも寄与することが期待されます。

KISA2隊で活動する医師(守上 佳樹先生、奥 知久先生、小林 正宜先生)からのコメント

まさに今、新型コロナウィルス第6波真っ只中の状況においてKISA2隊の全隊員が一丸となり「今やらなければいつやるのだ?」「誰かがやらなければならない!」「みんなで全力でいこうぜ!」との思いを共有し、新型コロナの自宅療養者を守るための活動を日々強力に推し進めております。
今回の支援を受け、KISA2隊は新型コロナウイルス感染症における在宅医療体制の構築、医療体制スキーム構築を確立し全国の医療チームへ展開することを目的として、さらなる活動の幅を広げてまいります。
今後は活動に興味を持っていただける全国の医療従事者とともに患者に安心を与える医療体制を速やかに作っていくことを目指します。

写真
写真左から:守上 佳樹先生、奥 知久先生、小林 正宜先生

関連リンク

お問い合わせ

リリースに関するお問い合わせ

日本財団 経営企画広報部 広報チーム

  • メールアドレス: pr@ps.nippon-foundation.or.jp

事業に関するお問い合わせ

日本財団 災害対策事業部 災害対策事業チーム

  • 担当:和田
  • メールアドレス:stay_safe@ps.nippon-foundation.or.jp