海上災害防止機材など活用 河口部の散乱漂着ごみ10トンを一掃3月23日(水)岡山県・笹ケ瀬川河口部(岡山市)で実証事業

⽇本財団は、海洋プラスチックごみ削減施策の一環としてこの度、清掃ボランティアの立ち入りや回収物の搬出が難しい河口部エリアにある大量の漂着ごみを効率的に回収・処理することを目的とした実証イベントを岡山市内で実施しました。

海上災害の発生時に使用される機材などを活用し、同市内を流れる二級河川・笹ヶ瀬川河口部の川岸、約1500平方メートルに渡って散乱していたプラスチックごみなど計約10トンを一掃しました。海上災害防止センターで海上に流出した油などを処理する「漂着防除隊」30人のほか、地元ボランティア団体や町内会、学生約70人の計約100人、そして現場を視察した岡山県の伊原木隆太知事と日本財団の笹川陽平会長が活動に参加しました。

この度の実証イベントで、波がなく底が浅い河口部の河岸においては、平底ボートやフロート(組立式の浮桟橋)などの機材を使うことで、安全で効率的に清掃できることが確認できました。今回得られた知見をもとに、今後は離島などの接近困難場所における効率的な清掃活動のモデル構築を進めていきます。

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河口部エリアにある大量の漂着ごみの回収作業

海に流出するごみの約8割は、内陸で発生したものが川や水路をつたって流れ出ており、一度海に流出したごみの回収はより困難となります。今回の実証事業では、普段は船舶火災や油・有害液体の流出事故対応をおこなっている海上災害防止センターや地元漁業者、地元ボランティア団体らの協力を得ながら効率的なごみの回収・処理方法を検証しました。

本取り組みは、ごみの新規流入量7割減・回収量1割以上増を達成して瀬戸内海の海ごみゼロを目指す、岡山県など瀬戸内4県と当財団が共同して推進している海洋ごみ対策プロジェクト「瀬戸内オーシャンズX」の一環で実施したものです。

一掃作戦の概要

  • 主催:日本財団
  • 共催:岡山県
  • 後援:瀬戸内オーシャンズX推進協議会
  • 日時:2022年3月23日(水)9:30~10:45
  • 場所:笹ヶ瀬川河口部河川敷

作業の流れ

組立式浮桟橋

① ごみが散乱する河岸に組立式浮桟橋を河川に設置

救命用平底ボートで上陸する様子

② 回収を担当する海上災害防止センター(漂着防除隊)30人が救命用平底ボートで上陸

ゴミを集める作業風景

③ ごみは袋(フレキシブルコンテナバッグ=フレコン)で回収

陸揚げする様子

④ 船で輸送して陸揚げ

分別作業の様子

⑤ 地元ボランティア団体や町内会、学生など計70名が後方支援を担当。ごみ処理時の分別ルールに従って分別作業

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笹川(左)と伊原木知事(右)もごみ回収に参加

関係者コメント(一部)

笹川 陽平(日本財団 会長)

偶然にも笹ヶ瀬川は私の苗字にとても似ており縁を感じている。美しい瀬戸内海をとりもどすために、ここ岡山から海洋ごみ削減に向けたムーブメントが日本全国へ広まっていくことを願っている。

写真:笹川 陽平(日本財団 会長)

伊原木 隆太氏(岡山県 知事)

瀬戸内オーシャンズXの一環で実施した調査でごみのホットスポットがわかり、今回の実証イベントで、効率的にごみを回収・処理する方法を検証できた。県民の皆さんと一緒に日本で最も住みたい地域にしていきたい。

写真:伊原木 隆太氏(岡山県 知事)

瀬戸内オーシャンズX概要

瀬戸内海に面する4県(岡山県、広島県、香川県、愛媛県)と日本財団が連携協定を締結(2020年12月)し、共同で推進している包括的海洋ごみ対策プロジェクトです。外界からの海洋ごみ流入が少ない海域(閉鎖性海域)である瀬戸内海をフィールドに、1.調査研究、2.企業・地域連携、3.啓発・教育・行動、4.政策形成の4つの柱で事業を実施しています。

瀬戸内オーシャンズXロゴマーク

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