第10回「ゆいごん川柳」受賞作品決定 大賞「ゆいごんに 風邪ひくなよと 書き足した」1月5日「遺言の日」を前に

日本財団は、「遺言の日」の周知啓発キャンペーンとして実施した「ゆいごん川柳」について、以下のとおり受賞作品を発表します。「遺言の日」は、人生の結びにご自身の意志を未来へつなげるとともに、相続トラブルが発生する可能性を減らすことができる遺言の重要性を周知するための記念日です。1と5で「遺言(いごん)」と読める語呂合わせと、正月で家族が集まって遺言について話し合えることから1月5日に設定しており、本キャンペーンは今回で10回目となります。

第10回ゆいごん川柳受賞作品の発表。 大賞:ゆいごんに 風邪ひくなよと 書き足した(ろいまま/50代/兵庫県)、入選:AIに 代弁できない 父の愛(AI)(ガブリータ/40代/東京都)、入選:遺言書 備蓄されてた 親の愛(スミス/50代/東京都)、入選:愛しくて 何度もなぞる 文字の癖(白環灯/30代/東京都)

第10回「ゆいごん川柳」は、世相を反映した作品や夫婦間の愛の言葉を表した作品など、全国から17,469作品の応募がありました。厳正なる審査の結果、この度、大賞1作品、入選3作品、佳作6作品、特別賞4作品の計14作品が選ばれました。

「ゆいごん川柳」募集の背景

日本財団は、「遺贈寄付」の周知啓発に取り組んでいます。「遺贈寄付」とは、遺言書で遺産の一部またはすべてを相続人以外の特定の人や団体などに譲ることです。少子化や未婚の増加などで「おひとりさま」が増えている中、遺贈寄付に対する関心は高まっています。
日本財団が2025年2月に実施した、「遺言・遺贈に関する意識・実態把握調査」では、全体の64.1%の方が「遺贈」の言葉を認知しているという結果がでました。
日本財団は「遺言の日」や「ゆいごん川柳」を通して、遺言書の大切さを広く社会に向けて周知しています。

受賞作品一覧

大賞

ゆいごんに 風邪ひくなよと 書き足した (ろいまま/50代/兵庫県)
【講評】 書き足された「風邪ひくなよ」の文字。これで、遺言が“体温”のある、唯一無二の宝ものとなりました。遺言はやはり、遺された人たちへの究極のラブレターであり、人生最後の手紙なのですね。語り継ぎたい一句です。
(歌人 田中 章義)

入選

AIに 代弁できない 父の愛(AI) (ガブリータ/40代/東京都)
【講評】 どんなに技術が進み、便利なものが生まれても、それよりはるかに優(まさ)る「愛(AI)」があるのですね。「代弁できない」――生きた証の肉声と真心だからこそ、価値があることをこの句が教えてくれました。
(歌人 田中 章義)

遺言書 備蓄されてた 親の愛 (スミス/50代/東京都)
【講評】 正統派の秀句です。整調の1句です。「親の愛」というのは、案外気づかないものなのかも知れません。身近にいると、「当たり前」過ぎるからでしょうか?でもでも、「親の愛」はじつは「備蓄」をされていたのです。「備蓄」の語がタイムリーでした。
(全日本川柳協会 江畑 哲男)

愛しくて 何度もなぞる 文字の癖 (白環灯/30代/東京都)
【講評】 自筆で書いた遺言書だからこそ残る筆跡の癖。それを何度もなぞるという所作に、遺言書が「書類」から「想い」へ変わる瞬間が描かれています。公正証書遺言とは異なる、自筆ならではの価値を示す素晴らしい作品ですね。
(相続遺言専門行政書士 佐山 和弘)

佳作

動画でも ゆいごん残す 二刀流 (たけやん/60代/神奈川県)
遺言が 最後のイイネに なりそうだ (雨の国/40代/東京都)
よく生きて 最後の選択 遺贈寄付 (ひで/60代/神奈川県)
人生は サヨナラ勝ちだ 遺贈寄付 (かけら/40代/大阪府)
遺贈寄付 これまで生きた 恩返し (のぞみ/70代/大阪府)
ゆいごんは 二人羽織で 妻が指示 (めめんと森/60代/神奈川県)

三井住友信託銀行賞

不動産 ケーキのように 分けられず (ハルル/70代/東京都)
【講評】 遺贈を考えるに当たって、非常に悩ましい、留意しなければならない要諦が一言でシンプルに表現された作品かと思います。ご家族に対する想い・愛が深いからこその悩みに強い共感を覚える作品です。
(三井住友信託銀行 本店法人業務第一部長 藤井 大輔)

三菱UFJ信託銀行賞

癖字から 聞こえる父の ありがとう (彗星/60代/福井県)
【講評】 癖字。この一言で、遺言を書かれたお父様はどのような方だったのか、いろいろ想像してしまいました。
頑固?不器用?何れにしても、お父様が一生懸命、感謝を込めて書かれた遺言書が目に浮かぶ、素晴らしい句です。
(三菱UFJ信託銀行 本店法人営業部長 鈴木 秀和)

三井住友銀行賞

ゆいごんに 「家宝は妻」と 書けと妻 (花一匁(はないちもんめ)/70代/大阪府)
【講評】 奥様監修の元で遺言書を作られているのでしょうか。微笑ましい光景が目に浮かびます。普段伝えられない大切な人への想いを遺せるのが、遺言書の良いところですね。心温まる、また捻りの効いた素晴らしい一句でした。
(三井住友銀行 公務法人営業第一部長 林 孝敏)

山田エスクロー信託賞

遺贈寄付 善意と節税 二刀流 (のぞみ/70代/大阪府)
【講評】 今年話題となったワードがうまく活用され、遺贈寄付のポイントを的確に捉えた秀逸な一句でした。欧米に比べるとまだまだ日本の遺贈寄付への意識は低いことから、こちらもワールドクラスになっていくことを期待します。
(山田エスクロー信託 会長 山田 晃久)

第10回「ゆいごん川柳」

応募期間 2025年9⽉12⽇(金)〜11⽉4⽇(火)
選考 江畑 哲男(全⽇本川柳協会 副理事長)
佐⼭ 和弘(相続遺言専門⾏政書⼠)
田中 章義(歌人)
藤井 大輔(三井住友信託銀行 本店法人業務第一部長)
鈴木 秀和(三菱UFJ信託銀⾏ 本店法人営業部長)
林 孝敏(三井住友銀行 公務法人営業第一部長)
山田 晃久(山田エスクロー信託 会長)
⽇本財団(会長 尾形 武寿、理事長 笹川 順平、名誉会⻑ 笹川 陽平)〔敬称略〕
⼊賞賞品 ⼤賞(1作品)10万円、⼊選(3作品)3万円、佳作(6作品)1万円
特別賞 三井住友信託銀⾏賞(1作品)5万円、三菱UFJ信託銀⾏賞(1作品)5万円 、三井住友銀行賞(1作品)5万円、山田エスクロー信託賞(1作品)5万円
応募総数 17,469作品
特設サイト 外部サイト遺言の日.jp
後援 法務省、三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行、三井住友銀行、山田エスクロー信託、あおぞら銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、野村信託銀行、北陸銀行、全国レガシーギフト協会

日本財団遺贈寄付サポートセンター

人生の結びに遺贈で社会貢献することは、あなたの生きた証を遺すこと。
日本財団は、遺贈寄付周知啓発を目的として2016年に日本財団遺贈寄付サポートセンターを開設し、遺贈寄付を通じた、寄付者が望む社会貢献のお手伝いをしています。
同センターでは、遺言書の書き方や遺贈先に関する相談や、遺言の必要性を社会に向けて周知する取り組みを実施しています。

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