長期入院の子どもたちに「こども時間」を届ける

クリニクラウンによる子どもの成長サポート

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こんにちは。国内事業開発チーム 難病の子どもと家族を支えるプログラムチームです。

かけがえのない子どもらしい時間を

「おーい!来たよお!」それまで静かだった小児病棟に、突然ハーモニカの軽快な音が鳴り響き、赤い鼻をつけ、カラフルな洋服を着たクラウン(道化師)が踊りながら入ってきます。子どもたちは病室から飛び出し、キラキラと目を輝かせて駆け寄り、医師や看護師、お母さんたちは笑顔でそれを見つめています。

長い入院生活で病気と闘い続ける子どもたちに「子どもらしい時間を届けたい」と、2005年からスタートしたクリニクラウン(臨床道化師)の病院訪問。赤い鼻をつけたクリニクラウンが、小児病棟の子どもたちを定期的に訪れ、遊びやコミュニケーションを通じて、その成長を見守ります。

「クリニクラウン」とは病院を意味する「クリニック」と道化師を意味する「クラウン」を合わせた造語です。8~9割の医療現場にクリニクラウンが訪問するというオランダの総領事館から「日本にもクリニクラウンを」と紹介されたのが活動のきっかけ。オランダから来日したクリニクラウンの病院訪問時、子どもたちの表情の変化を目の当たりにした医療現場の人たちが立ち上がり、NPO法人日本クリニクラウン協会が設立されました。協会が認定するクリニクラウンは現在26人。2017年3月時点で約9万人の子どもたちに「こども時間」を届けました。

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「とっても楽しかったね」はじける笑顔で一緒にポーズ!

いっしょに遊び、いっしょに創る

クリニクラウンは一人一人の病室を訪れて、コミカルな動きやダンス、皿回しやマジックなど、さまざまな遊びを提案し、ともに遊びます。その時々の子どもたちの反応をみて臨機応変に対応し、子どもたちの気持ちを受けとめ、想像力や創造性を育みます。

どうしても治療が主になり制限のある入院生活では、子どもたちが自分から何かを言うことができなかったり、病気があることで劣等感を感じてしまったり、病院での生活に慣れてしまうことも。子どもらしくいるのが難しい環境ですが、この時ばかりは子どもらしく笑ったり、遊んだり、時にはいたずらっこの顔をみせてくれます。

親御さんにとっても、わが子の笑顔や明るい表情を見られるのは心強く、ほっとできる時間です。

まだ3歳なのに、大人に心配をかけまいと聞き分けが良くておとなしかった男の子。クリニクラウンが来ると子どもらしい無邪気な表情をしていてうれしかったとそのお母さんは笑顔で語ってくれました。厳しい状況の中でも、久しぶりに子どもの笑い声をきくことができて励みになった、子どもらしい時間を過ごせてありがたかったという声も聞かれます。

クリニクラウンは病棟にいる大人にも積極的に関わり、遊びに巻き込みます。主治医の先生や看護師さんが笑っている様子を見て、子どもが親しみやすさを感じるなど、新たな関係が生まれるきっかけにもなり、病棟全体を明るい雰囲気に変え、子どもがのびのびと過ごせる環境作りに一役かっています。

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友だちといっしょに、初めての皿回しに挑戦!

クリニクラウンはコミュニケーションのスペシャリスト

クリニクラウンはペアで活動し、お互いのやりとりの中で、うれしい、悔しいなど、豊かな感情を表現し、子どもが自分の感情を出せる機会をつくっています。また、身体の緊張や動作などささいな反応から子どもの気持ちを読み解き、距離感や関わり方を変えていきます。彼らは優れた表現者であると同時に、入院中の子どもの心理や病院の規則にも精通したコミュニケーションのスペシャリスト。クリニクラウンになるには、1年間の養成課程があり、トレーニングのあとに、半年の臨床現場での研修と認定試験が必須です。

彼らは道化師やパフォーマーなどの表現者や、医療や介護など人をケアする仕事に携わる顔も持ち、得意分野をお互いに生かし合い、刺激を受け合うといいます。

彼らにとって、子どもが見せる反応や変化、自由な発想がとてもうれしく、なによりも子どもの笑顔がやりがいになっているそう。

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ハーモニカをふきながら楽しくダンシング

すべての子どもが笑顔でいられる社会のために

「たいへんな状況の中でも、楽しいときには大笑いをしたり、目を輝かせていきいきとしていたり。子どもの生きる力はすごいと感じます」と事務局の熊谷恵利子さんは言います。

「子どもたちが成長したときに、自分はあのとき頑張った、闘病生活がつらい中でも楽しいことがあったな、いろいろな人に支えてもらったんだということが、種となり生きる力に育っていく。社会全体ではクリニクラウンは小さな活動かもしれませんが、社会が少しずつ良くなる一歩につながればと思っています」

すべての子どもが笑顔でいられる社会のために、少しでも多くの子どもに子どもらしい時間を届けるために、これからも全国の病院をクリニクラウンは訪れます。「多くの病院から来てほしいと依頼を受けています。それに応えられるよう、これからもみなさんにご支援をいただきながら頑張っていきます」

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NICU(新生児集中治療室)で、オルゴールのおもちゃ遊び 赤ちゃんの反応にお母さんの表情もやわらぎます

日本財団 難病の子どもと家族を支えるプログラムでは、日本全国に難病の子どもと家族の笑顔を増やしていきます。

「難病の子どもと家族を支えるプログラム」

日本クリニクラウン協会

「日本財団 難病の子どもと家族を支えるプログラム」に興味をお持ちの方は、ぜひ難病児支援ページをご覧ください。

文責 ライター 玉井肇子
日本財団 ソーシャルイノベーション本部 公益事業部 国内事業開発チーム 中嶋弓子

寄付の状況 2019年1月28日現在
4,632万1,404円 (3,992件)
日本財団子どもサポートプロジェクトロゴ

日本財団は、「生きにくさ」を抱える子どもたちに対しての支援活動を、「日本財団子どもサポートプロジェクト」として一元的に取り組んでいます。