難病の子どもにおもちゃと遊びを届けるといぽけっとの取り組み

こんにちは。「難病の子どもと家族を支えるプログラム」活動報告ページへようこそ。
国内事業開発チーム 難病の子どもと家族を支えるプログラムチームです。
今回は任意団体といぽけっとの取り組みをご紹介します。

おもちゃを持ってどこにでも行きます

「わあ。みてみて!お母さん!」女の子が歓声をあげます。お花紙をちぎって作った川に団扇で風を送り、紙が舞いあがる中をみんなで泳ぎます。その後、その紙を集めて魚を作って魚釣り。獲物を狙う子どもたちの瞳は真剣そのものです。

このワクワクするようなプログラムを手がけているのは、病院や施設を訪問して難病や障害を持つ子どもたちに遊びを届ける活動をするボランティアグループ「といぽけっと」です。

といぽけっとが活動を始めたのは2016年の夏。
代表の齊藤有紀さんは、中学時代の夏休みに参加した障害児施設でのボランティアを通して、病児のための保育士になりたいという夢を持ちました。
保育士の勉強中におもちゃコンサルタントの資格をとり、地元関西で遊びのイベントに参加する中で大阪市立総合医療センターの医師と出会い、おもちゃ遊びを依頼されたのがきっかけでといぽけっとを結成。そこでのつながりを元に病児のためのさまざまなイベントで活動しています。

「呼ばれれば、おもちゃを持ってどこにでも行きます!」と、平日の仕事の合間をぬって、おもちゃコンサルタントの仲間と共に子どもたちの元に奔走しています。

写真:おもちゃで遊ぶ子どもの様子
ゆっくり動くおもちゃを、しっかりした目線で追いかけます。

新しいおもちゃで、遊びの幅が広がる

感染症リスクや呼吸器・バギーなどのために活動を制限されている子どもたち、在宅で過ごす病児に、安心して遊べる場を提供したいと、といぽけっとは月に一回ほど、西大阪の福祉施設で「あそびおもちゃクラブ」を開催。クリスマス会や、運動会、ひな祭りなど季節ごとのテーマに、おもちゃ作り、歌遊び、絵本の読み聞かせなどを盛り込んでいます。

元気に走り回れる子どもから、横になった状態で感情の変化がわかりづらい子どもまで、子どもたちの状態はさまざま。今回の助成で新たに多くのおもちゃを購入できたことで、病気や障害、年齢などに合せて、動かして遊ぶ、音を聴いて遊ぶ、触って遊ぶなど、用途別に種類を増やし、多様なニーズに対応できるようになりました。カラフルなものが人気、ゆっくり動くおもちゃのほうが見やすいといった新たな発見もありました。

訪問セット、乳児・幼児セットなどに分類し、収納をしたことで誰にでも使いやすくなり、「これが面白かったので、次はこれで遊びたい!」と同じセットに入っているおもちゃを子どもが選ぶこともできるようになったと言います。

写真:スタッフによる絵本読み聞かせの様子
だるまさんの大型絵本でのお話し会。読み聞かせのための大型の絵本を購入できたので、図書館に毎回借りに行く負担が減りました。

遊びが不足している

「病気の子どもたちには遊びが足りていないんです」と齊藤さんは言います。「もちろん何よりも命が一番大事ですし、それがあってこその遊びですが、時には何もかも忘れてただ楽しんでもらいたい、思いきり純粋に遊んでもらいたいんです」。

これを見せたらこんな反応を見せてくれるかなと、おもちゃ遊びで成長を促す働きかけをし、回を重ねるごとにその子の成長や変化を感じることができるそう。反応がなかった重度の障害をもつ男の子が、次に来た時にはおもちゃを一所懸命に目で追い、まばたきをして返事を返してくれるようになったことも。

楽しかったからまた参加したいという声や、子どもたちが嬉しそうに遊んでいる姿、親御さんたちのくつろぐ表情が、活動の原動力になっています。

写真:室内で遊ぶ参加者の様子
森のくまさんを歌いながら大布遊び。カラフルな布が揺れるの、楽しいね。

いつか病院にも入っていきたい

といぽけっとでは、他団体や多職種との交流も大切にしており、子どもに関わる医療関係者や学生にも、おもちゃの必要性、おもちゃ作りや遊びのスキルを伝えるワークショップを行っています。

「関東では病院におもちゃライブラリーが入っていることがありますが、関西ではそういった形のものはまだありません。また、われわれのように病院を拠点にせずに、病児の元へどこにでもおもちゃを持っていく活動は他にはいないようです」。

地方でも病児のおもちゃ遊びの場を広げたい、まずは活動を続けて信頼関係を築き、将来は病院にも入っていきたいと、齊藤さん。

人材や財源の確保など、課題は少なくありません。「時間はかかるでしょうが、10年、20年と長期戦でやっていきます。メンバーはみな平日に仕事をしていますが、続けていく中でさらに積極的にやってくれるメンバーがでてきてくれたら」とも。昨年、心臓病の子どもの会に参加した際に出会った女性が、「こういう活動をしたかった」と、おもちゃコンサルタントの資格を取得してといぽけっとの一員になった嬉しい出来事もありました。

これからも多くの人とのつながりを大切にしながら、難病や障害をもつ子どもたちの元に、おもちゃと遊び、そして笑顔を届けたいと将来の展望を語ってくれました。

写真:室内で遊ぶ参加者の様子
団扇の風でとばしたお花紙が舞い散る川を、みんなで泳ぐよ。

「日本財団 難病の子どもと家族を支えるプログラム」では、日本全国に難病の子どもと家族の笑顔を増やしていきます。

難病の子どもと家族を支えるプログラム

「日本財団 難病の子どもと家族を支えるプログラム」に興味をお持ちの方は、ぜひ難病児支援ページをご覧ください。

文責 ライター 玉井 肇子
日本財団 公益事業部 国内事業開発チーム 中嶋 弓子

寄付の状況 2022年7月末現在
4億8,795万5,787円
日本財団子どもサポートプロジェクトロゴ

日本財団は、「生きにくさ」を抱える子どもたちに対しての支援活動を、「日本財団子どもサポートプロジェクト」として一元的に取り組んでいます。